執拗な煽りで事故を誘発 危険運転致死傷で起訴

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今年1月、栃木県大田原市内の国道4号で、クラクションを巡る交通トラブルから前走する軽乗用車を執拗に追い回し、ガードレールに衝突させる事故を誘発、2人を死傷させた24歳の男について、検察庁・宇都宮地検は6日、この男を危険運転致死傷罪で起訴した。

問題の事故は1月21日未明に発生している。栃木県大田原市下石上付近の国道4号で、25歳の女性が運転する軽乗用車が道路右側のガードレールに衝突。クルマは横転大破し、乗っていた3人が死傷した。ガードレールに突っ込んだクルマから数メートル離れたところには、別の乗用車が乗り捨てられていた。

双方のクルマが衝突したような痕跡は無く、警察では後にこの乗用車を運転していた24歳の男を道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕した。当初、この男は「逸脱事故については知らない、関係ない」と供述していたが、軽乗用車を運転していた女性が「執拗に煽られた」と証言することで事態は大きく動いた。

男は片側1車線の区間で強引に軽乗用車を追い抜こうとしたが、女性はこれに危険を感じてクラクションを鳴らしたという。男はこれに腹を立てたのか、その後は故意に車間を詰め、ヘッドライトをハイビームにし、クラクションを連打しながら高速度で煽るという運転を行った。

女性は免許を取得したばかりだったが、100km/hを超える速度での走行を強いられ、最終的にはハンドル操作を誤って対向車線に逸脱。ガードレールに衝突した。車間を取らずに直後を走行していた男のクルマも釣られて逸脱。倉庫に突っ込んだことが判明した。

警察は業務上過失致死傷容疑で送検したが、検察では「100km/h超の速度で、しかも車間を詰めて走行するなど、男には前走車の走行を妨害し、危険を生じさせる意図があった」と判断。男を危険運転致死傷罪で起訴した。煽り行為に対して同罪が適用されるのは栃木県内では初の事例になるという。

《石田真一》

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