ホンダの新クロスオーバーSUV『クロスロード』の開発チームが重視したことのひとつに、デザイン重視のエンジニアリングがある。
デザイナーはクルマの初期スケッチの段階では、しばしば大胆な提案を行うが、市販の段階までにそれらの提案の多くが消えてしまう。その大きな理由のひとつとして、コストを含めた技術的な制約が挙げられる。
「クロスロードはコンセプト提案型のモデルだけに、そういう妥協はなるべく減らしたかった。デザイナーのアイデアをなるべく的確に反映できるよう頑張りました」。ボディの設計を担当した田代浩主任研究員は語る。
「その一例が、リアのコンビネーションランプ。デザイナーは場所によって色の違わない、真っ赤な一本の縦型コンビネーションランプにしたいと言っていました。ですが、コンビネーションランプ内には方向指示灯やバックランプを配置しなければなりません」
「そこでわれわれは、補色レンズを使うことで赤一色の縦型デザインと法規対応部品の一体化を両立させたのです」
クロスロードのリアコンビネーションランプを見ると、赤いカバーの奥に違う色のレンズが内蔵されていることがわかる。方向指示灯の黄色く見える部分は、外側の赤いカバーの内側に緑の補色レンズを重ね合わせた合成色だ。また白く光るバックランプは赤と青の合成色である。
なお、リアコンビランプのカバーのバックランプ部分は赤が濃すぎるときちんとした色にならないため、射出成型によってその部分だけ薄い赤になっている。その色味の違いを目立たせないため、下地のベゼルを赤く塗装して、均一な赤みに見せるようチューニングされている。
このような細部にわたってデザイナーの意図をなるべく忠実に反映させるための技術的な工夫の数々は、クロスロードの個性的なデザインを成立させるうえで重要な役割を担っているのだという。
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