これまでデジタル地図といえば、カーナビで利用するのが一般的だった。しかし、家庭用インターネット回線の高速・大容量化やGPS携帯電話の登場、さらにPNDといった新たなナビゲーションデバイスの登場により、デジタル地図の用途は多様化している。また、ナビゲーションをはじめとするデジタル地図関連サービスの領域も広がり、“地図+位置情報+サービス”の組み合わせは、様々な新ビジネスが生まれる土壌になってきている。
そのような中で、デジタル地図関連ビジネスの拡充に力を入れているのが、インクリメントPだ。同社はパイオニア製を中心としたカーナビ向け地図の提供のほか、携帯電話やPCインターネット、PNDなど多くの分野にデジタル地図とサービスの提供を行っている。
インクリメントP経営企画本部経営企画部部長の小川和也氏と、第二商品本部第三商品企画営業部部長の河野一嗣氏に話を聞いた。
◆PND市場の80万台規模まで拡大。ナビゲーションの裾野が広がる
---- レスポンス読者にとってインクリメントP(iPC)は「カーナビ向けデジタル地図の会社」というイメージが強いのですが、一方で、PCやインターネット向けの地図ソフトウェアや、携帯電話・PNDサービスにも積極的ですね。いわゆる“カーナビ以外の市場”をどのように見ていらっしゃるのでしょうか。
小川) 弊社はもともと、カーナビ向けの地図ソフトウェアを創るというところからスタートしまして、今では「デジタル地図」のベンダーとして三指に入る地歩を確立させていただいています。
しかし、我々が最も力を入れたいのは、実は「位置情報を使ったサービス」の分野なのです。ですから、我々がもともとカーナビ向けで培ってきたデジタル地図に、今回、PND向けとして「ナビゲーション機能」というアプリケーションを組み込んだことはごく自然なことと認識しています。
---- なるほど。もともと「地図+アプリケーション」という発想があったわけですね。iPCでは、いわゆる“カーナビ以外の市場”をどのように見ていらっしゃるのでしょうか。
小川) PNDでいえば、やはり欧米やアジア市場で急激に成長していることに注目しています。日本市場で見ますと、すでにハイエンドなHDDカーナビゲーションの市場ができあがっていますから、PNDのようなシンプルなナビゲーションの市場は小さいのではないか、という声は確かにあります。しかし、(日本市場でも)価格帯によっては、シンプルで安価なPNDが欲しいという市場は間違いなくあります。
---- 具体的には、どのようなセグメントでしょうか。
小川) 中古車、軽自動車、そして業務用の車載端末市場ですね。これらの市場は、今までのハイエンドカーナビが需要を掘り起こせていない。中でも、業務用のPND市場は、シンプルかつ安価で耐久性に優れたものが求められますから、従来のカーナビがアプローチできていない市場だと考えています。
また、それらの市場にあわせて、地方の複数所有車市場、二輪車、さらに歩行者向けの市場もありそうです。これらのセグメントをあわせますと、市場規模はかなりあるのかな、と。
『急成長するGPS/デジタル地図(LBS)ビジネスの未来』 | |
詳細 申し込み | |
日時 | 2007年7月23日(月)&24日(火) 両日とも10-17時 |
会場 | SYDホール(渋谷区千駄ヶ谷4-25-2) |
7月23日(月) | |
講演 | |
NAVITEQ(株) マーケティング部 部長 | |
吉村透 氏 | |
(株)ゼンリンデータコム 常務取締役 コンシューマビジネス本部長・事業開発部長 兼務 | |
藤沢秀幸 氏 | |
インクリメント・ピー(株) 経営企画本部 経営企画部 部長 | |
小川和也 氏 | |
(株)シリウステクノロジーズ 代表取締役 | |
宮澤弦 氏 | |
パネルディスカッション | |
各社講師(パネリスト) | |
通信・ITSジャーナリスト | |
神尾寿 氏(パネリスト) | |
レスポンス 編集長 | |
三浦和也 氏(コーディネーター) | |
7月24日(火) | |
講演 | |
KDDI(株) コンシューマ商品企画本部 auサービス企画部 ライフサポートビジネスグループ グループリーダー 課長 | |
幡容子 氏 | |
(株)ナビタイムジャパン 代表取締役社長 兼 CEO | |
大西啓介 氏 | |
インクリメント・ピー(株) 第二商品本部 第三企画営業部 部長 | |
河野一嗣 氏 | |
(株)ゼンリンデータコム 代表取締役会長 兼 CEO | |
林秀美 氏 | |
パネルディスカッション | |
各社講師(パネリスト) | |
通信・ITSジャーナリスト | |
神尾寿 氏(パネリスト) | |
レスポンス 編集長 | |
三浦和也 氏(コーディネーター) |