【新潟県中越沖地震・柏崎ルポ】ニッポンが誇るモノづくりパワー

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【新潟県中越沖地震・柏崎ルポ】ニッポンが誇るモノづくりパワー
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リケンによると、グローバル化への対応を目的に、ピストンリングの生産を海外などへも分散することを昨年あたりから検討し始めていたという。しかし、自動車部品は品質とともにコスト要求も厳しい。「複数拠点で作れば今回のような場合に代替生産も効くが…」と高木常務は言葉を濁す。

同じ仕様の部品なら、同一工場で集中生産した方が品質も安定し、コストが安くなるのは当たり前の話だ。とくにピストンリングやカムシャフトなどは荷姿(輸送効率)も良く、シートやタイヤなどのように完成車メーカーの拠点近くで生産する必要性にも乏しい。リスク管理の妙案は浮かばないようだが、新聞報道によると、トヨタ首脳は「いかに(生産を)止めないかよりも、いかに再開させるかだ」と述べたという。

日本の自動車産業は、アメリカ排ガス規制や燃費規制などの試練をくぐり抜けることで国際競争力を磨いてきた。今回の被災でも、日ごろ激しい競争を繰り広げている自動車各社は一転して一部品会社の復旧支援に団結し、当のリケンでさえ驚くペースの復旧を支えた。

報道で紹介されている応援要員は自動車メーカーが中心だが、実際には部品メーカーや工作機械メーカーなど、数え切れないほど多くの社名ワッペンや刺繍入りツナギを来た人たちが、コンビニ弁当をかき込み、車のなかで休憩しつつ、黙々と復旧作業に当たっているのを目にした。

被災した人には申し訳ないが、こうして培われたノウハウや人脈、精神なども、ニッポンが世界に誇るものづくりパワーの一端かも知れない。

《編集部》

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