日本精工、グリース保持型・高負荷用ボールねじを開発

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日本精工は、グリース保持性能を大幅に高め、ボールねじへのグリース補給量の大幅な削減やボールねじ駆動部分のクリーン化に貢献し、射出成形機のメンテナンスを大幅に軽減する新開発のA1シール付きグリース保持型高速・高負荷ボールねじ「A1シリーズ」を開発し、商品化すると発表した。

最近の射出成形市場では、携帯電話などに代表されるIT機器用の小型部品から、液晶ディスプレイや自動車の大型部品まで、従来の油圧式に代わり回転モータとボールねじで駆動する電動射出成形機による生産が拡大している。さらに、部品の薄肉・高精度化と成形サイクルの短縮化ニーズから、電動射出成形機の駆動ボールねじは、より高速・高負荷の厳しい使用条件となっている。

こうした使用環境では、ボールねじの潤滑が重要で、極圧添加剤含有のグリースを自動給脂する方法が一般的だ。従来のボールねじナット両端に装着されているシールは、一般的にスキマ仕様であり、ナット内に補給したグリースの一部が外部に漏れ出るため、多量なグリース補給が必要で、ランニングコストも高かった。加えて、漏れたグリースが装置内部に飛散し成形品などを汚染する対策として、ボールねじ周りにしっかりとした高価なカバーなどを設けていた。

同社は、こうした要求に応えるため、グリース保持性能が高くかつ低トルクのA1シール付きボールねじを開発し、グリース保持型高速・高負荷ボールねじA1シリーズとして商品化する。

リップ接触タイプのA1シールと、ねじ軸の専用特殊ボール溝形状の組み合せによって、従来品の約3倍の高いグリース保持性能を実現した。グリース供給量の削減によるランニングコストの削減が図れる。また、グリースの排出をコントロールしてメンテナンスを軽減する。

グリース飛散量は、従来品の3分の1に減少、カバーなどの簡素化も可能で、クリーンで環境にやさしい設計を実現する。

このほか、新製品は接触シールであるにも関わらず、従来品と比較して摩擦トルクアップは30〜50N・cm程度と小さく、駆動トルクへの影響は0.1%以下で、シール部の発熱による温度上昇を実用レベルで1度以下に抑制したエコ設計を実現している。

同社では新製品のシリーズとして、電動射出成形機の射出用と型締め用に11種類のナット形式を用意し、11月から受注を開始、2010年に20億円の売上を目指す。

《レスポンス編集部》

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