ムーディーズ・インベスターズ・サービスはこのほど、日産自動車と同社の信用補完付きの子会社の長期債務格付けを『Baa1』から『A3』に引き上げた。格付けの見通しはポジティブ。
今回の格上げは、競争力のある新モデルの投入による製品ポートフォリオの強化とコスト削減努力を背景に、日産の資本構造と収益の安定性が中期的に改善するであろうとの見方を反映してのもの。
日産は昨年度営業減益となったものの、売上高とキャッシュフローは、製品ポートフォリオの強化とコスト削減を含む合理化努力によって安定化し、業界平均を上回る水準で維持される。また、ブランド価値と顧客満足度を向上させることも、全体の収益性の改善に寄与する。
ムーディーズでは、これらの要因によって、日産は事業サイクルと景気サイクルを通して競争力を維持することができると見ている。