F1サンマリノGPの開催地として知られてきたイタリアのイモラ・サーキットが、このたび大改修工事を終えた。工事は、昨2006年11月から進められていたもの。改修にはサーキット設計家として有名なヘルマン・ティルケが起用された。
従来のピットは完全に解体され、上部観覧席やメディアセンターをもつ新ピットが新築された。全長は385mで、シャッターやドアなどはイタリアのサーキットらしく赤で統一されている。
コースでは、従来急減速を強いられたピット前ストレート直前の“バッサ”と呼ばれていたS字カーブが取り払われた。
イモラ・サーキットの正式名称は、『アウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ』。同じエミリア-ロマーニャ州内の偉人の名前を冠したものだ。所有者はイモラ市で、1980年からF1グランプリの開催地となった。
近年、施設の老朽化が進んでいたことから、今回の工事計画がスタートした。イタリア政府も1000万ユーロを拠出した。しかしFIAの1国1グランプリ遵守により、2007年のF1カレンダーから脱落するという、紆余曲折があった。
今回の新装をきっかけに、イモラの人々の間では「F1を再び地元に」との期待が高まっている。サーキットは、14−16日に開催されたクラシックカー部品交換会で、一般にも公開された。
ちなみに前述のピットはトイレが大幅に増設された。従来、外階段を駆け上がって2階まで行かなければならない特殊な構造だっただけに、チームクルーたちの“トイレストップ”タイムも大幅に短縮できそうだ。