【ITS世界会議07】CenNavi…官学出資の交通情報コンテンツプロバイダー

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【ITS世界会議07】CenNavi…官学出資の交通情報コンテンツプロバイダー
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北京展覧館で9日より開幕した第14回ITS世界会議の注目テーマの一つは、激しい北京市の渋滞をどうやって緩和するかである。北京市のアクションのひとつに、北京航空航天大学との共同出資による、CenNavi(北京世紀高通科技有限公司 Cennavi Technologies Co., Ltd)の設立がある。

2005年9月に始まったこの官学共同プロジェクトは、北京市交通情報センター(BTIC)の情報を、自らインターネットやケータイを通じてコンテンツとして市民に提供すると同時に、車載カーナビやPNDなどのデバイスメーカー/自動車メーカーに対する配信も行なっている。広く民間サービスに交通情報を伝えることで、空いている道路インフラを有効活用しようとする活動である。

「BTICの目的はCO2削減にあるようです。CenNaviを交えて取り組んでいる北京オリンピックにむけたスターウィングス社会実験でも、渋滞を緩和して平均速度を上げることで環境負荷を下げることができるという視点で実験検証を行ないます」(日産 技術開発本部テクノロジーマーケティング室酒井雄揮志主坦)というコメントのように環境視点での活動に力を入れている。それを裏付けるようにCenNaviのロゴデザインはグリーン、ブースデザインもグリーンで統一されている。

ブース内には、すでにサービス中のウェブやケータイサービスの展示のほか、デンソー、ザナヴィの車載端末、Mio、tomtomのPND、NOKIA、HTCなどのスマートフォンでの交通情報表示のデモを展示している。

CenNaviのスタンスの特徴は、交通情報のコンテンツプロバイダーに徹しており、複数の配信方式を採用していることだ。例えばカーナビ向け配信も日本のFM多重DARK方式と欧州のFM多重RDS方式、スマートフォン向けにはGPRS、CDMA方式でも配信する。ウェブへの配信も自社サイトのほか複数のポータルサイトにも提供している。

またデータ販売も対応し、トヨタや日産が考えているテレマティクスは、CenNaviのデータを元にさらに独自のノウハウで加工して、自社ユーザー向けのサービスを構築できる。

交通情報という公共サービスをさまざまなチャンネルで提供して、環境対策という大義に近づくビジネスモデルを模索するCenNavi。中国ITSの柔軟性を示す事例となっている。

《三浦和也》

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