ホンダらしさというのは、過去を振り返ってみても、スポーツカーに限定されたものではない。ユニークな発想に基づくクルマ作りこそが、ホンダイズムなのだが、それを体現したコンセプトカーが、東京モーターショーに出展する『PUYO』だ。
技術的には燃料電池車のコンセプトカーである『FCX』で培ったV-FLOW FCスタックを流用。具体的にはセンタートンネルに燃料電池ユニットを納めることで、省スペース化を推進しつつ、広大なパッケージング確保に貢献する。さらにこのPUYOの場合、各ホイールに動力を持たせるインホイールモーターを採用することで、広大な室内空間とフラットなフロアを実現している。
その結果、ボディ自体は写真を見てもわかるように、かなりコンパクト。担当デザイナーによれば「小さいからこそ、周囲に優しくできるというのはあると思います。ペットのような存在であるクルマというのはなにかというのを提案してみました」とのこと。確かに前後とも対称のデザインで、アニメに出てくる動物のバスみたいでもあるし、食パンみたいでもある。なんとも愛らしいキャラクターだ。