【東京モーターショー07】トヨタ Hi-CT…ゴリラの意外性

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【東京モーターショー07】トヨタ Hi-CT…ゴリラの意外性
【東京モーターショー07】トヨタ Hi-CT…ゴリラの意外性 全 8 枚 拡大写真
トヨタ『Hi-CT』は、既存のクルマの“かっこよさ”の概念からの脱却し、現代の若年ユーザーの感覚にマッチするコンセプトやデザインを追求したというコンセプトモデル。そのフォルムはハッチバック、セダン、ミニバンといった従来の乗用車の系統に当てはまらない斬新なモノだ。

あえていえばトレーラーを牽引するトラクターヘッドをそのまま縮小したようなフォルムである。

「若者向けのカッコよさといえば、これまでは車高を低く、車幅を広くというフォルムというフォルムが定番でしたが、そういう古い価値観では若年層の支持は得られません。Hi-CTの企画は、20代後半から30代前半の社内の若手デザイナーを中心としたチームが全面的に行ないました。われわれ若年層の価値観に基づいたカッコよさ、現代っぽさを徹底的に追求したんです」

デザインを取りまとめた東京デザイン部の五十嵐浩志氏は、デザインの狙いをこのように語る。デザインモチーフとして採用したのは、何とゴリラ。

「ゴリラというのは一見、鈍重なように思われますが、じつはものすごく敏捷なんです。Hi-CTの開発にあたって、デザインはこのゴリラにおける意外性を追求することにしました。角型でマスを感じさせるキャビンを、前傾姿勢を感じさせるように配置し、後方をラゲッジスペースとしてさまざまなアレンジがアレンジが可能な荷台としました。一見、いびつな形に見えるのに、見る人に力強さを感じさせるとともに、自分の価値観をしっかりと持っている若者が、クルマを自分だけのモノに仕立てる喜びを持たせました」(五十嵐氏)

ボディサイズは全長3330×全幅1695×全高1780mmと、コンパクトカーと軽自動車の中間程度という小ささだが、ブロックからクルマを削りだしたかのような角型デザインは押しが強く、3ナンバーではないかと思わせる力強さだ。

パワートレインはプラグインハイブリッドを想定している。低燃費の追求はもちろんだが、若者には必須のアイテムである携帯電話や携帯オーディオなどのモバイル機器の充電ステーションというバリューを持たせるという意味合いもあるという。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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