NTNは、環境対応エンジン技術であるスイングアーム式バルブ駆動機構用として同社独自技術である「のこ歯ねじ機構」を適用した「エンドピボット形メカニカルラッシュアジャスタ」を開発したと発表した。
自動車エンジンのバルブ駆動機構の一つであるスイングアーム方式は、カムフォロアにニードルローラベアリングを適用し摩擦損失を低減することで、燃費の向上が図れるため、採用比率が高まっている。
しかし、現在採用されている油圧式ラッシュアジャスタは、低温始動時や油中に気泡が混入すると調整機能が低下するという課題があり、気泡混入を避けるためにバルブ駆動系のレイアウトやエンジン設置方向に制約が生じるとともに、ラッシュアジャスタ内部に気泡混入を防止する油貯めが必要だ。さらに、給油のための油路も必要でエンジンの小型化に制約があった。
NTNが開発したメカニカルラッシュアジャスタは、断面がのこぎり状の特殊ねじを利用することで、油圧を使わずにバルブクリアランスを自動調整できる技術を、スイングアーム式バルブ駆動機構に適用した。
今後、エンジンの小型軽量化やレイアウト設計自由度の向上に貢献できる商品として、さらなる技術開発進めるとしている。