部下の要望を聞かない上司にも事故責任 送検

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今年6月、千葉県君津市内の県道で、同市内にある知的障害者施設が保有するワゴン車が対向車線側に進入。大型ダンプトラックと正面正面衝突し、8人が死傷した事故について、千葉県警は10日、双方の運転手と施設の代表者(施設長)を業務上過失致死容疑で書類送検した。

同乗者が車内で暴れたことが逸脱の発端となったが、以前にも同様のトラブルが起きながら、施設長は改善を怠ったという。

千葉県警・君津署によると、問題の事故は今年6月4日の午後3時ごろ発生した。君津市尾車付近の県道を走行していた知的障害者施設の所有するワゴン車が対向車線側に逸脱、対向車線を順走してきた34歳の男が運転する大型ダンプトラックと正面衝突した。ワゴン車は大破し、同乗していた施設の入所者4人が死亡、双方の運転手など4人が重軽傷を負った。

ワゴン車は施設に勤務する25歳の女が運転していたが、事情聴取の際に「同乗していた入所者が暴れ出し、これに気を取られて後ろを見てしまった」と供述。後ろを見ようと体を傾けた際にハンドルも切っていた可能性が高いことがわかった。

また、同施設の日誌には「ワゴン乗車中の入所者が暴れた」などという記載が複数あり、運転していた女も施設長を務める47歳の男に対して「誰か(別の職員を)乗せないと危険だ」と申告していたことも明らかになった。

しかし、施設長の男はこれを軽視。入所者の様子を見るための職員を同乗させることはなかった。警察ではこうした対応が事故に結びついたと断定。双方の運転者だけではなく、施設長にも責任の一端があるとして、業務上過失致死傷容疑で書類送検した。

《石田真一》

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