例の無い、同一案件で3回の不起訴不当議決 検察はどう動く

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2002年12月に岡山県岡山市内で発生した死亡交通事故について、岡山検察審査会は13日までに不起訴不当の議決を行った。この事故で不起訴不当の議決が出るのは今回が3回目。同一案件で3回の不起訴不当議決は過去に例がないという。

問題の事故は2002年12月21日の午後10時45分ごろ発生した。岡山市横井上付近の市道を帰宅するために自転車で走行していた19歳女性に対し、後ろから走ってきた軽乗用車が衝突。女性は頭部などを強打したことが原因で死亡した。

クルマを運転していたのは18歳(当時)の女子高校生。呼気からは酒気帯び相当量のアルコール分が検出されており、2003年8月に道路交通法違反(酒気帯び運転)で罰金20万円の略式命令が出た。だが、業務上過失致死については「被害者の自転車が斜め横断していた可能性がある」として不起訴処分にしている。

これに納得できない被害者の遺族は、死亡した女性が事故当時に乗っていた自転車の鑑定を民間の調査機関に依頼。この結果、加害者のクルマは自転車の後部から追突した可能性が高いと判断され、遺族はこの結果を基に不起訴不当の申し立てを岡山検察審査会に訴えた。そして過去2回に渡って不起訴不当の議決が出たが、検察は「加害者の過失を立証するに至らない」として、いずれも不起訴としている。

今回の不起訴不当議決は3回目となるが、調書は加害者の一方的な主張に基づいて作成されており、いわば“死人に口なし”の状況。最初の1回を含め、過去3回の不起訴はいずれも事故当時の捜査資料を基に判断されたが、これは「事故当時の捜査資料をもって加害者の過失を判断するのが難しい」ということでもある。

なお、この事故については民事訴訟でも判断がなされており、裁判所は加害者に事故の責任があると判断。多額の賠償支払いを命じている。公訴時効まで残すところ約1週間となっており、検察がどのような判断を下すのか注目される。

《石田真一》

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