【中国取材】トヨタ車セールスの秘密兵器「e-CRB」

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
【中国取材】トヨタ車セールスの秘密兵器「e-CRB」
【中国取材】トヨタ車セールスの秘密兵器「e-CRB」 全 9 枚 拡大写真

中国のレクサス/トヨタのディーラーでは、顧客管理システム『e-CRB』を中心にして様々な販売支援のITツールが用意されている。例えば、レクサスのディーラーでは日本でもおなじみの「3Dシミュレーター」が用意されており、商談テーブルの上でクルマの装備やカラーを選択。画面を見ながら、「マイ・レクサス」を検討することができる。

この3Dシミュレーターから見積書作成システムは連携しているので、価格もすぐにわかる。さらに見積書の作成システムもe-CRBと直結しており、来店者が見積もりを取れば、その顧客情報と見積もり内容は即座にi-CROPに登録される。ここから先はi-CROPの販売支援オペレーションのスキームに乗り、適切なタイミングと内容で販売活動が行われるのだ。個々のITツールが最先端であるだけでなく、すべてがe-CRBにつながり、シームレスに連携しているのがポイントである。

そして、これらe-CRBの効果は絶大だ。

取材に訪れたレクサスや広州トヨタのディーラーでは、営業も含めたスタッフの年齢層は圧倒的に20 - 30代が多い。しかも大学を出たばかりの20代前半 - 半ばが大半だ。これら若手セールスが、中国の富裕層に対して一流のスキルでセールスをし、レクサスやカムリを大量に売っているのだ。

「中国において自動車ディーラーは『ニュービジネス』。ディーラー経営者のマインドは合理的かつ柔軟であり、スタッフは若手中心でe-CRBをしっかりと受け入れて使いこなしている。まっさらな市場だからこそ、e-CRBのような新しいコンセプトの効果が大きく現れている」(トヨタ自動車e-TOYOTA部部長の友山茂樹氏)

e-CRBは若手スタッフのスキルを底上げするだけでなく、ディーラーの経営面において、人材確保のしやすさや人件費の抑制といったメリットを生み出す。さらにe-CRBに投入される情報は、個人情報保護の観点から、すべて現地のトヨタが保存・管理する仕組みになっている。ディーラーやスタッフが業務で利用するには問題ないが、不正な「顧客情報の持ち出し・流出」や「特定のディーラーが顧客情報を囲い込む」といったことができず、この点でトヨタ側のメリットも大きい。

このようにe-CRBは、経験の浅いスタッフのスキルを底上げし、まるでベテランのように購入見込み客にクルマを買わせる。さらにディーラーの経営と運営を合理化・効率化する効果もある。自動車メーカーが用意したディーラー支援システムとして、世界でも類を見ない革新的なものと言える。

《神尾寿》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る