アリタリア減便、ミラノ騒然

自動車 ビジネス 企業動向
アリタリア減便、ミラノ騒然
アリタリア減便、ミラノ騒然 全 3 枚 拡大写真

アリタリア航空の売却先について筆頭株主のイタリア政府は、エールフランス-KLMグループを最有力候補としつつも、正式決定を1月中旬以降に延期した。いっぽうで年初から再燃しつつあるのは、アリタリアによる国際線ハブ空港移転問題である。

計画によると効率化推進のため、現在ミラノ・マルペンサ空港に発着している国際線を今夏以降大幅に減便。かわりにローマ・フィウミチーノ空港行きを増便させるものだ。成田、関空とミラノ、ローマを結ぶ路線にも同様の変更が及ぶ見込みである。

計画は昨2007年9月、アリタリアが発表した経営再建案に盛り込まれていたものだが、12月からのアリタリア売却交渉が本格化するのにともない再び議論の的となった。

すでにミラノが属するロンバルディア州の州知事や、マルペンサ空港の職員らで作る労働組合もハブ空港移転反対の声明を発表している。また北部の自治権拡大を掲げる政党「レーガ・ノルド」も強く反対を訴え、イタリアに古くから根付く南北経済政策の優先順位問題にも発展しつつある。

アリタリアは、ミラノ - インド路線の廃止も決めている。成長著しい地域とイタリア一の商都・ミラノとのアクセスが不便になるのは、決して望ましいことではない。ビジネス需要の強化を目指すとするアリタリアの再建計画とも矛盾する。また聖年である2000年に合わせ、イタリアの玄関口として大リニューアルを行なったマルペンサ空港への巨額投資はどうなるのか、という疑問も上がる。

しかしいっぽうで、筆者がインタビューした主婦(49歳)のように、「もはやイタリア人も、別にアリタリアでなくて良い」という声も利用者の間で一般的なのも事実である。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. HKS、スバル・トヨタ車向け限定ステアリングの受注期間を大幅延長 2026年1月まで
  2. ポルシェ『GT1』の再来、920馬力のGTハイパーカー『GTH』デビュー
  3. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  4. 【三菱 デリカミニ 新型】インテリアはバージョン0.8から「2.0」に進化! 専用開発で実現した“らしさ”とは
  5. 「ほぼ未使用」のスーパーカー20台、匿名バイヤーに一括売却へ その総額は…
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る