【日産 GT-R 解説】“速いハコ”という伝統と、新たなる価値観

自動車 ニューモデル 新型車
【日産 GT-R 解説】“速いハコ”という伝統と、新たなる価値観
【日産 GT-R 解説】“速いハコ”という伝統と、新たなる価値観 全 6 枚 拡大写真

スーパーカーを謳うならば、見た目の第一印象で驚き、衝撃を与えなければならない。美しいか否かは二の次ですら構わないはずだ。そういう意味で日産『GT-R』は、まさにその資質を満たしているといえるだろう。

そのスタイリングは、ネーミングからは外れた『スカイライン』GT-Rの伝統、要するに“速いハコ”であることを強く意識したものであり、また“日本”を表現しているともいう。

マーケティング本部マネージングダイレクターの加治慶光氏は「どう見てもあれは“スカイライン”GT-Rですよ。」という。要するに、それをもってスカイラインを含めた日産車のイメージを底上げし、往年のファンにもアピールし、それでいてスカイラインとは別の新たな価値を容易に与えることができた、といったところだろう。

しかしいっぽうで、パッケージングにはスカイラインGT-Rから大きな進化があった。最大の注目点はトランスアクスルレイアウトの採用だ。これはフロントに積まれたエンジンからギアボックスを切り離し、リアアクスル直前に置くレイアウトのことで、いうまでもなく前後重量配分の改善に繋がる。前後バランスは53:47前後だという。そのエンジンも、もはや直6ではなくV6のツインターボとされた。排気量は3.8リットル。これも当然、直列より搭載性に優れる。

ベースとなるプラットフォームは、もともとは開発責任者の水野和敏氏がまとめあげたスカイラインのFMパッケージを進化させたものだが、共通するのは基本概念とエンジンルームまわりのボディワークぐらいといってよさそうである。

そのボディもスチールとアルミ、カーボンを組み合わせたまったくの別物だが、その割には車重は1740kgと軽くはない。R34型スカイラインGT-Rは1540kgであった。しかし水野氏によれば、「車重は開発時の想定通り。重量物は徹底的に低い位置に収めている」とのこと。あるいは、その先は2008年秋に登場するとされる“スペックV”の役割なのかもしれない。

《島下泰久》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  2. 日産『エクストレイル e-POWER』、338馬力デュアルモーターの「e-4ORCE」をインドネシア投入
  3. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  4. ランボルギーニの新型スーパーカー、初のカスタマイズ仕様「ポルト・チェルヴォ」公開
  5. トヨタ、愛知県豊田市に新車両工場を建設へ…2030年代初頭稼働めざす
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  5. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
ランキングをもっと見る