【日産 GT-R 解説】トランスアクスルを核に構築されたパワートレイン

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【日産 GT-R 解説】トランスアクスルを核に構築されたパワートレイン
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「VR38DETT」という形式名を与えられた3.8リットルツインターボ・エンジンは、『スカイライン』などに搭載されている自然吸気の「VQ」型とボア径こそ共通だが、VQ型の鋳鉄ライナーに代えてシリンダー内壁にプラズマコーティングを施すことでライナーレス構造を実現しているなど、別物と見たほうが正しい。

生産体制に関してもまったく別の扱いを受けている。VR38DETTは横浜工場内の専用クリーンルームにて、ひとりのスタッフが1基のエンジンを組み立て、さらに1基ずつ性能検査を受けてから出荷される。出力値が許容範囲にない場合、すべて分解されてチェックされるというから本物だ。ちなみにその最高出力は480ps/6400rpm、最大トルクは588Nm/3200 - 5200rpmである。

トランスアクスルレイアウトとされたギアボックスは6段デュアルクラッチ式。簡単にいえば、VWグループがDSGで先鞭をつけた、ふたつのクラッチを交互に繋ぐことで変速時のタイムラグを解消するシステムである。変速は自動、もしくはステアリングコラムに固定されたパドルにて行なう。

また、セットアップスイッチの設定によって変速タイミングとスケジュールを切り換えることができる。用意されているのはサーキットなどに向けた「R」「ノーマル」そして「スノー」の3モード。ちなみにギアボックスの油圧ポンプの作動音は大きめだが実験部の永井 暁氏によれば「じつは社内の騒音基準値を上回っているのですが、変速スピードに直結する高い油圧の確保を優先しました」という。

駆動方式は、通常時はほぼFRで必要なときだけ前輪にトルクを配分するフルタイム4WDのアテーサE-TSを採用し、VDCとの協調制御も行なわれている。このVDCもノーマル、オフ、そして「R」モードを選択できる。トランスファーに用いているのは電磁多板クラッチ。リアには機械式LSDが備わるが、フロントデファレンシャルはオープンである。

《島下泰久》

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