07年イタリア新車登録台数…ディーゼル車人気に陰り
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国産車の登録は前年比9.2%増で、市場シェア31.4%を確保した。フィアットグループが経営再建の目安として掲げていた「国産車シェア30%確保」を、昨年に続き達成したことになる。
いっぽう、2006年に58.2%を記録した新車登録におけるディーゼル車比率は、昨年55.7%に低下した。これは、原油高騰でガソリンとディーゼルの燃料価格差が縮まったことと、低燃費の新型ガソリンエンジン車登場により、市場マインドが変化したためと筆者は分析する。
もうひとつ注目すべきは、トヨタ『ヤリス』(日本名『ヴィッツ』)の躍進である。2007年の車種別ランキングでは、7万3225台で4位となった。とくに最終月である12月には9054台を記録し、1万7225台のフィアット『プント』に次ぐ2位に浮上。3位のフィアット『パンダ』を1000台以上引き離した。ちなみに同じ12月には、トヨタの欧州における最廉価車『アイゴ』も9位に食い込んだ。
トヨタは近年イタリアで、若年層や女性を中心にユーザー層を広げてきた。迎え撃つフィアットグループとしては、経営危機の間に失った、そうした層に訴求できる商品が造れるかが今後の鍵となろう。
《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》