【池原照雄の単眼複眼】トヨタとスズキの超コンパクトが年内量産に

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【池原照雄の単眼複眼】トヨタとスズキの超コンパクトが年内量産に
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欧州や日本をにらんだワールドカー

トヨタ自動車とスズキが年内に「超コンパクトワールドカー」の生産に着手する。トヨタは昨秋の東京モーターショーに出品していた『iQコンセプト』、スズキは1月のデリー・オートエキスポで披露した『コンセプトA‐Star』をそれぞれベースにしたモデルだ。

両社ともCO2(二酸化炭素)規制が強化される欧州を念頭に置いた商品戦略だが、日本への投入も確実視され、軽自動車に押されて不振が続く登録車市場活性化の一翼を担う。

トヨタは3月4日に開幕するジュネーブモーターショーにiQコンセプトの量産仕様モデルを出品する。同車は全長が2.98メートルと日本の軽自動車規格(3.4メートル)より短いものの、全幅は軽規格の1.48メートルを上回る1.68メートルと小型車サイズ。

このボディーに大人3人がゆったり乗れ、さらに子供1人または荷物を積載できるという「高効率な革新的パーケージ」(渡辺捷昭社長)を編み出した。搭載エンジンは明らかにされていないが、ガソリンは1リットルとなる見込み。

◆トヨタ iQは2008年の遅い時期から

東京モーターショーで渡辺社長は「近いうちに市場投入できるレベルまでに仕上がっているのでご期待を」と紹介していたが、年内の量産立ち上げが正式に決まった。

欧州の統括会社であるTME(トヨタモーター・ヨーロッパ)は、ジュネーブモーターショー向けのリリースで量産開始を「2008年の遅い時期」と明記した。当面は欧州のほか、渡辺社長が「ご期待を」と表明した日本市場にも投入する見込みだ。

一方、スズキのコンセプトA‐Starは、今年秋以降にインドのマルチ・スズキ社の新鋭拠点であるマネサール工場での生産開始が決まっている。この春から欧州市場に投入する同社のコンパクトカー『スプラッシュ』よりひと回り小さいモデルだ。

◆軽に飽き足りない層からの支持が

ガソリンエンジンは新開発の1リットルで、欧州の次期排ガス規制である「ユーロ5」に適合するとともに「世界最高水準の環境性能」(スズキ)を実現するという。

スズキにとっては2004年の『スイフト』以来、5番目となる「世界戦略車」との位置づけであり、欧州を手始めに「世界各地」へ出荷する方針。その中には日本も含まれる見通しであり、今秋までに投入予定のスプラッシュとともに、同社のコンパクトカー攻勢が続く。

日本市場では軽自動車の優遇税制が続く限り、こうした超コンパクトカーの売れ行きは限定的になるかもしれない。しかし、これまでになくお洒落で環境性能にも秀でたミニカーは、軽に飽き足らず経済的にもゆとりのあるシニア層などから支持を集めることになるだろう。

《池原照雄》

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