大同特殊鋼は、原材料価格などの高騰から2008年4月納入分から工具鋼製品の価格を引き上げると発表した。
同社は、2003年から数回にわたり工具鋼製品の価格改定を実施し、2005年7月から「モリブデン、バナジウム、タングステン、コバルト」の主要4原料の価格スライド制を導入、2007年7月には鉄スクラップ、その他諸資材価格の高騰を受け、値上げに踏み切った。
しかし、新興国を中心とした旺盛な鉄鋼需要の増加を受け、価格スライド制を導入した主要4原料に加え、クロムや特に主原料の鉄スクラップ価格が急騰している。また、電力、重油、ガスなどのエネルギーコスト、設備を維持するための冶工具、部品などの諸資材価格も上昇を続けており、収益を圧迫している。
同社では、設備合理化、生産性向上などコスト改善に努めてきましたものの、鉄スクラップなどの原料、エネルギー関連、諸資材価格の高騰を吸収できないため、4月納入分から工具
製品の値上げを実施するとしている。輸出価格についても国内同様に値上げ。