レアメタルの現状と将来展望…富士経済

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富士経済は、「2008レアメタル・貴金属関連市場の現状と将来展望」を公開した。

「2008レアメタル・貴金属関連市場の現状と将来展望」は、世界のレアメタル・貴金属33鉱種を対象に、その現状と今後の使用量削減、代替材料開発、リサイクルの方向性について調査するとともに、ユーザー・リサイクル事業者・行政機関の動向も解説し、報告書にまとめたもの。

調査結果によると、2006年の世界レアメタル・貴金属(30鉱種)生産量は純分換算で5202万トンだった。

調査では、注目レアメタルとして、ハイテク産業の進展に向けリサイクルの必要性が大きい17鉱種を取り上げた。2006年時点でのこれら注目レアメタルのリサイクル率は、モリブデン、コバルトなど5鉱種で80% - 50%台、ニッケル、チタンなど8鉱種が40% - 10%台、レアアース、アンチモンなど4鉱種が5%以下だった。

また、「注目レアメタル応用製品」17品目と、携帯電話や液晶パネルなど「主要最終製品」16品目について市場規模、レアメタル・貴金属使用量などを調査した。主要最終製品では今後更に成長が期待できる携帯電話、液晶パネル、PDPパネル、燃料電池、二次電池など最終製品16品目を抽出し、その市場規模から代表的なレアメタル・貴金属の合計使用量を算出した。

主要最終製品別注目レアメタル需要量では、携帯電話が金8トン、銀11トン、パラジウム4トン、プラチナ2トン。多種類のレアメタル、貴金属が使用されており、2007年実績で金、銀、パラジウム、プラチナ、その他にニッケル、タングステンなども使用されている。小型化、軽量化、薄型化も進められ、多機能化や高機能化しつつ、携帯電話1台あたりのレアメタルや貴金属の使用量は年々減少に向かうと見られる。

ハイブリッド車/EV車のモータ用磁石は、レアアース(ネオジム)が500トン、ディスプロシウムが100トン。高価なディスプロシウムの代替材料研究が進められており、研究の成果に期待が掛かる。現状では使用済製品からのリサイクルは進んでいないが、ハイブリッド車の市場拡大に伴い、使用済み磁石スクラップの再生が今後の課題だ。

注目レアメタル応用製品需要予測では、金・ボンディングワイヤは、自動車の電装化やシステムLSI向けが堅調で、2006年に102トンだったのが2010年に123トンに増える見通し。

自動車用触媒のプラチナは、2006年に52.8トンだったのが2010年には55.8トンを予測。

《レスポンス編集部》

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