【池原照雄の単眼複眼】ユーザーは「低燃費車」を待っている

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【池原照雄の単眼複眼】ユーザーは「低燃費車」を待っている
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環境配慮のクルマではHVの認知度がトップ

日本自動車工業会が隔年で行っている「乗用車市場動向調査」の2007年度実施分が15日発表された。今回も買い替え期間の長期化といった新車市場には厳しい結果が出ているが、ユーザーが何を求めているかも見えてくる。そのひとつが、経済性や環境配慮からくる燃費性能への関心だ。

07年度の調査は昨年秋に実施されたものだ(有効回答3666サンプル)。回答によると、買い替えを行ったユーザーの前保有車両の使用期間は平均で7.1年だった。最近では一貫して長くなる傾向にあり、前回の05年度調査よりも0.3年延びている。

環境への意識では、「小型化・低燃費」のクルマを選びたいとするユーザーが最も多く82%(複数回答)に達した。03年度の75%、05年度の77%から調査を重ねるごとに増加しており、近年のコンパクトカーや軽自動車人気を裏付けている。

また、環境に配慮したクルマの認知度(複数回答)では、ハイブリッド車(HV)が最も多く89%、次いで電気自動車の86%となった。

◆使用期間はさらに延びる傾向

一方、長期化が進んでいる買い替え期間への今後の考え方としては「長くなる」が45%と、半数近くを占めた。次いで多かったのは「変わらない」の35%、「短くなる」は4%にとどまっており、代替期間の長期化という傾向は、今後も続きそうだ。

調査では、これに関連して「買い替えを早める条件」についても意識を探っている(複数回答)。最も多かったのは「非常に低燃費のクルマが発売されたら」で51%となった。次いで「自動車関連税が軽減されたら」(40%)、「下取り車が高く売れたら」(30%)の順だった。

◆「非常に低燃費」のクルマなら代替購入も

低燃費車を買い替えの動機とする回答は03年度調査の37%から大幅に増え、03年度にトップだった「関連税の軽減」を上回った。経済性の追求と同時に、環境への意識の高まりも示しているといえよう。

ユーザーは「非常に低燃費」のクルマを待望しており、その登場が「買い替え」につながる可能性が高いというわけだ。「非常に」という感覚に合致するのは、やはりHVであろう。
もちろん、車両価格との見合いもあるので、燃費は良くてもコストは抑制しなければならない。

2009年に登場するトヨタ自動車の新型『プリウス』やホンダのファミリー向け新型HVが国内市場の流れを変える---今回のユーザー調査はそうした期待がもてそうな結果となっている。

《池原照雄》

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