「フォードモーターの株式購入を進めている」と報道された投資会社トラシンダのジェリー・ヨーク氏が、フォード経営に対する自らの考えを明らかにした。
それによると「フォードは(ランドローバー、ジャガーに続いて)ボルボ、マーキュリーブランドを売却すべき」なのだという。
同氏は「リンカーンは保有する価値があるが、この2つのブランドは黒字を生み出さない」とばっさり切り捨てた。また、フォードCEOアラン・ムラーリー氏との会見の事実も認めたヨーク氏は、「ムラーリー氏のターン・アラウンド計画は間違っていない。今後1年半以内にボルボが売却されることに私は自信を持っている」とも。
ただし、ムラーリー氏が何らかの売却プランを打ち明けた事実はないとし、「ムラーリー氏はフォードブランドに焦点を置いている。またリンカーンは利益マージンの大きいブランドだ。それ以外のブランドを保有する理由は見当たらない」と、あくまで自身の観測であることも強調した。
マーキュリーブランド売却の理由は、「もしフォードモーターがマーキュリーを売却したとしても、顧客はフォードブランドに推移するだろうからフォード全体として顧客を失うことにはならない」ためだという。
トラシンダは、GMとルノー/日産の提携を勧めたが失敗した経緯がある。「フォードの大株主となりフォードと他のメーカーの提携を画策する意図は?」との問いには答えなかったヨーク氏。フォードがこの動きにどう対応するのか、注目が集まっている。