米新車販売、燃費の良い小型車が好調…4月実績

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アメリカの4月の新車販売の結果が出た。第1四半期の落ち込み傾向から脱出の気配はなく、前年比で9%減、販売台数総数は104万台にとどまった。この結果を受け、各自動車メーカーは今年の生産台数をさらに下方修正する必要に迫られている。

ビッグ3の中で比較的に健闘したのはフォードモーターで、それでも12.1%減。小型車のフォード『フォーカス』は43%増と好調だったが、ブランド別に見てもすべてのブランドで減少。皮肉なことにインドのタタに売却されたジャガーのみが25.4%増となった。ただしフォード傘下のマツダは好調で、全体で12.8%増という結果。

GMは落ち込みが激しく、16.2%減。中でもトラック、SUVなどは26.5%減と不調。唯一の明るい材料は、新型シボレー『マリブ』セダンが39%増、と好調を維持していること。

さらに深刻な状況なのはクライスラーグループで、全体で23.5%減、しかもクライスラーでは乗用車が32%減と最悪の結果だ。ブランド別ではジープが18%、ダッジが17%減と、トラック、SUVも不調。明るい材料としてはジープ『パトリオット』、ダッジ『キャリバー』がそれぞれ119%増を記録したこと。

このようにビッグ3惨敗のいっぽう、3.4%の微増となったのはトヨタだが、これも燃費の良い小型車に引っ張られた形で、ピックアップはビッグ3と同様の落ち込みを見せている。

好調が目立ったのがホンダ。最終統計はまだだが、同社の予測では6%増となり、月間販売台数としては過去最高の12万1500台も視野に入っているという。また日産も最終統計は出ていないものの、乗用車は25%増と好調。ただしライトトラックセールスが19.7%減と全体の足を引っ張る結果となっている。

5月には政府による戻し減税があるが、これが自動車販売につながると見る向きは少なく、ユーザーの買い控え傾向は夏以降まで続きそうだ。年間販売総数が1500万台割れはほぼ確実、というのが業界に流れる空気で、今後国内の生産工場のシフト短縮などがさらに進みそうな雲行きとなっている。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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