nimocaの当初目標は100万枚、相互利用化も推進……西鉄専務 陶山秀昭氏に聞く

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
nimocaの当初目標は100万枚、相互利用化も推進……西鉄専務 陶山秀昭氏に聞く
nimocaの当初目標は100万枚、相互利用化も推進……西鉄専務 陶山秀昭氏に聞く 全 4 枚 拡大写真

西日本鉄道専務・ニモカ社長の陶山秀昭氏に聞く

5月18日、西日本鉄道が九州で初となるサイバネ方式の交通IC・電子マネーサービス「nimoca」をスタートした。福岡の天神大牟田線全線(天神大牟田線、太宰府 
線、甘木線)、バスは福岡都心部を走る一部の路線が対応するほか、天神を中心に電子マネー加盟店514店舗で利用可能だ。

福岡では、西鉄のnimocaに続いて来年JR九州の「SUGOCA」と福岡市交通局の「はやかけん」がスタート。翌2010年にはJR東日本のSuicaも加えて、相互利用化が予定されている。

nimocaの開始は、福岡と西鉄にとってどのような意義があるのか。西日本鉄道取締役専務執行役員であり、nimoca発行元のニモカ代表取締役社長の陶山秀昭氏に単独インタビューした。

◆地域活性化のためのnimocaでありたい

---- nimocaの普及目標枚数はどのくらいで設定されているのでしょうか。

陶山) 西鉄としては、5年後までにnimocaの100万枚の普及を目指しています。今年度の目標としては20万枚程度でしょうか。

この背景を少し説明しますと、鉄道はサービス開始から大きく対応したのですが、バスは今のところ1路線152台の対応で、これから少しずつ対応車両を増やしていきます。我々は約3000台のバスを所有しているのですが、これが全面対応するのは来年です。鉄道だけでなく、バスでのnimoca対応も進むことで、普及枚数や利用率はあがっていくと考えています。

---- 今後の部分では、バスの対応が交通分野で重要ということでしょうか。

陶山) ええ。鉄道とバスを乗り換えているお客様も多いですからね。やはり、まずは交通系としてネットワークにしていくことが重要です。

---- 首都圏では交通系電子マネーの利用件数が1日100万件を突破しました。福岡における、交通系電子マネーの見込みはいかがでしょうか。

陶山) 私どものnimocaでは、ポイントプログラムの循環を重視しています。電車・バスや電子マネーを使うとポイントがたまり、これをポイント交換して電子マネーにして再び加盟店で使えるわけです。将来的にnimocaが100万枚規模になれば、交通と商業が電子マネーとポイントで連携し、そこがユーザーの利用促進に繋がる。さらに商業の活性化にも貢献できるでしょう。

---- 西日本鉄道と福岡の商業の結びつきが重要である、と?

陶山) そうですね。天神を中心に大牟田線(天神大牟田線、太宰府 
線、甘木線)の沿線ビジネスには注力しており、西鉄としては『交通と商業』はセットで考えています。今後はJR九州や福岡市営地下鉄の沿線にも電子マネーが拡がりますし、こういった(交通と商業の)結びつきはさらに強くなるでしょう。

---- nimocaポイントは今後どのように発展していくのでしょうか。

陶山) ポイントは電子マネーのオマケとして考えられていますが、一方で、それを重視するお客様も多くいらっしゃいます。今後の取り組みとしては、ポイント参加店舗を増やすだけでなく、バースディポイントを用意するなどキャンペーン的にポイントを効果的に使うといった活用が考えられます。

---- nimocaの西鉄グループにおける位置づけは?

陶山) 西鉄のグループ会社は90社ほどあるのですが、その中の半分くらいはnimocaが活用できるような分野でビジネスをしています。ですから、グループ内でのnimoca活用は取り組んでいくことになるでしょう。

しかし、私はnimocaを西鉄グループ内の「囲い込みツール」にしていくという考えは持っていないのですよ。地域全体に拡がってもらう。これがnimocaにとって、とても大切なことです。地域活性化に役立つものにならなければ、nimocaを導入・推進する意味がない。

---- nimocaは地域活性化・地域密着を重視する一方で、JR東日本とも提携していますね。

陶山) お客様の利便性を考えますと、やはり首都圏など他地域でも、nimocaがそのまま使える必要がある。利便性拡大のために、他地域の交通ICと相互利用化するのは当然のことです。引き続き、相互利用化をやっていきたいですね。

---- ありがとうございました。

《神尾寿》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る