伊トリノのデザイン・コンサルタント会社イデア(IDEA)インスティテュートはこのほど創業30周年を迎えた。また同時にそれを記念して、スタイリング・プロトタイプ『エラ』(Era)を製作した。
若手デザイナーたちの主導で、「情熱・感動・完璧な美」をキーワードに、イタリアン・カースタイリングの原点回帰を目指したという。全長×全幅×全高は4300×1840×920mm、ホイールベースは2560mm。想定するレイアウト/駆動方式は、横置きフロントドライプもしくは縦置きリアドライブである。
イデア・インスティテュートは1978年、フランコ・マンテガッツァによって設立された自動車デザイン・コンサルタント会社。過去にレンツォ・ピアノ、ウォルター・デ・シルヴァ、エルコーレ・スパーダ、そして現ザガートのチーフデザイナー原田則彦らが参画もしくは在籍したことがある。
同社が携わった製品として、フィアット「VSS」プロジェクト(1981年プロトタイプ)、フィアット『ティーポ』、日産『テラノ2』、ダイハツ『ムーヴ』などがある。インドのタタ社とも長年の協力関係にある。なお2000年からは、スイスの繊維・自動車関連企業リーター・グループの傘下にある。
Eraはイタリア語でも「時代」を意味する。また英語のbe動詞におけるwas同様、過去を語るのに用いられる。将来、今回の記念作品を振り返ったとき、単なるカロッツェリア全盛期のノスタルジーとして映るのか、同社の未来への一ステップだったと認識されるか、興味あるところだ。