プジョー・ジャポンが6月2日に日本市場に投入した新型Cセグメントハッチ(VW『ゴルフ』、トヨタ『オーリス』等と同クラス)、『308』。そのエクステリアデザインは、旧型となる『307』との近似性が強いが、全長が307より80 - 105mm延長され、逆に全高は15mm低められたことから、格段に伸びやかさが出た。
プジョー・シトロエン・ジャポンのティエリー・ポワラ社長は、「ファッションとインスピレーションこそ308を作ったスタッフの思いであり、308を目にしたカスタマーが最初に口にする言葉だろう」と語ったが、そのファッションとインスピレーションの表現に最も重要な役割を果たすのが、エクステリアだろう。
フロント・ボンネットの前後方向に深々と刻まれたVラインや、ドアパネルの3次曲面および明確なプレスラインなど、アップデートされた鋼材技術、プレス技術を生かした要素デザインが目立つ。全体を見ても“弟分”のプジョー『207』よりひとまわり大柄なボディでありながら、強い前傾姿勢や前後の絞り込みなどにより、ボディの大きさを感じさせない凝縮感がある。
またデザインディレクターのジェローム・ガリックス氏は「フェリーヌ(ネコ科動物の女性形)というプジョーならではのエクステリアの個性を追求した」という。大型化されたフロント中央のライオンエンブレムやバンパーのエアインテーク、鋭利さを増した切れ長のヘッドランプなどの要素デザインは、新型308の“フェリーヌ”ぶりを際だたせるためのものだが、一目でプジョーと識別できるだけの個性付けには大いに成功しているといえる。