アイシン精機は、本社地区の業務効率向上や将来的な人員増加に備えるために、2009年度中の完成をめざして本社東隣の敷地に新館を建設すると発表した。
現在、同社の本社がある刈谷地区には約5700人の従業員が勤務しているが、その半数以上が1977年に完成した事務本館と1985年に完成した技術本館で勤務している。両施設ともに完成後20 - 30年が経過し、最近の技術開発要員の増強やIT化の進行に対して、スペース・機能ともに充分に対応しきれない状況となっている。加えて、今後も技術開発部門を中心に2010年度までに本社地区の人員はさらに1000人以上の増加することを想定している。
そこで、1人ひとりに適切な業務スペースを確保するとともに、免震機能を採用するなど、災害リスクにも備えた新館を建設し、業務効率の向上と災害時のリスク対応力の強化を図る。
新館は、地上15階建て、延べ床面積約5万2800平方mで、技術開発部門の一部や現在刈谷工場に仮集約している調達部門のほか、本社周辺に分散している開発拠点が移転する。内部には、グループ会社などとの共同プロジェクトに活用できる戦略スペースや、現在不足している仕入先との打合せスペースなども設ける。
また、環境・地域への配慮として、事務フロアの空調にGHP(ガスヒートポンプ式エアコン)を採用し、CO2排出量を抑制するとともに、太陽光発電や排水・雨水の再利用を取り入れる。既存の道路から50m後退させることにより高層化による圧迫感を排除し、周辺を緑地帯として緑の多い景観とする。