GMのリック・ワゴナー会長は15日の記者会見で2009年の改革案として正社員のリストラ、ライトトラックのさらなる生産カット、少なくとも20億ドルの新規借入金などでこの不況、ガソリン高による難局を乗り切るプランを発表した。
ワゴナー会長は声明で「われわれは米自動車市場の状況に積極的な回答を決断した。市場に優れた製品を提供し、消費者のより燃費の良い車を求める要望に応えるために必要な判断だ」と述べた。
レイオフプランは解雇および福利厚生費の見直しなどにより15億ドルのコスト削減を2009年に行う、という内容。ただし具体的な削減人員数には触れられていない。プランには65歳以上の退職者に対する健康保険提供の打ち切りも含まれる。また2009年の賃上げはなし、というのも決定済み。特に重役に対するサラリーは今年から大幅にカットされることになるという。
ライトトラックは2009年に新たに30万台の生産をカットし、25億ドルのコストを削減する。GMではすでに北米で3か所のトラック生産工場の閉鎖を発表している。今後はピックアップ、SUV、V8エンジンなどの開発予算をより小型で燃費に優れたエンジン開発にシフトさせる予定だという。
そしてキャッシュフローについてだが、2009年に株式売却などで8億ドルの資金を調達、さらに資産売却などで40から70億ドルの現金を追加調達できるとしている。ハマーブランドの扱いについては検討中だが、70億ドルにはブランド売却も含まれる。
株価が10ドルを切ったことでキャッシュフローに不安が持たれるGMだが、ワゴナー会長は「GMにはまだ充分な資産があり倒産、会社更生法適用などは全く視野に入っていない」と語った。
これによって市場の不安が全く払拭されたわけではないが、少なくとも「高すぎる」と批判を浴びた重役への賞与などをカットして本気で改革に取り組む、という姿勢だけは評価された。今後の株価の動きに注目したい。