【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 前編…「電子地図事業への大転換、売上げ3.5倍増目指す」

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【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 前編…「電子地図事業への大転換、売上げ3.5倍増目指す」
【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 前編…「電子地図事業への大転換、売上げ3.5倍増目指す」 全 4 枚 拡大写真

「MAPPLE(マップル)」の名称で紙地図マーケットの圧倒的なシェアを誇る昭文社。しかし、業界の急速なデジタルシフトへの流れに乗り切れずにいたのも事実だ。そこで同社では、2008年5月に発表された5カ年計画で、2013年には電子事業の売上を08年比で3.5倍の140億円にまで伸ばすことを明らかにした。地図トップブランドの威信をかけたV字回復の原動力とは何か。社長の黒田茂夫氏に話を聞いた。

PND向けのカーナビゲーションエンジンを成長の原動力に

----:ここ数年のデジタル地図業界に目を向けると、Google Mapsの出現、Tele AtlasやNavteqの大型M&A、ケータイGPSやPNDの普及など、デジタル地図コンテンツプロバイダーの経営環境は激変しています。

黒田:Tele AtlasやNavteqの買収といった世界規模の変化は、われわれも脅威に感じています。地図会社というと、いままでは国単位での事業と考えていましたので、われわれもこの環境の変化に備える必要を感じています。

ですが、海外の地図会社が日本でビジネスできるか、また同様に日本の地図屋が海外に進出できるか、というとそれは非常に難しいのです。その国の地図はその国の地図会社が得意なわけで、地図はいわば“国語”と等価な存在と言えます。まずは日本の地図会社として日本の地図をしっかりつくっていこう、というのが現状のスタンスです。

----:5月に発表された中期経営計画では、紙地図事業から電子地図事業へと収益の柱をシフトし、電子事業の売上を41億1800万円から146億6300万円へと成長させる目標を立てています。この成長エンジンは何でしょうか。

黒田:当社の電子事業はGIS(地理情報システム)・ カーナビ・Webの3分野がありますが、現状の40億円あまりの売上のうち大部分がGISです。カーナビゲーションとWebは残念ながら期待するほど売上げていません。この状況を改善して、Webとカーナビで成長させ5年で140億円まで伸ばしたい。

Webもカーナビも、競争が激しいマーケットである反面、今後の成長が見込める分野でもあります。とくに注目したいのは成長著しいPND分野ですね。当社としてはまずこのPND市場に地図とナビゲーションエンジン「MAPPLE navi」を提供し、それを足がかりにフルナビに食い込んでいきたいと考えています。

----:昭文社は「SiMAP」(サイマップ:昭文社統合地図情報システム)を構築していち早くデジタル化に対応しました。デジタルシフトにあたってSiMAPはどのような役割を果たすのでしょうか。

黒田:SiMAPは1999年に構築したデジタル地図とPOIのデータベースです。紙地図製作は職人仕事でしたが、出版点数の増加で職人が足らなくなり、デジタル化に踏み切ったというのが当初の経緯でした。が、このSiMAPがあるおかげでデジタルシフトに当たっての初期投資を抑えることができます。地図のDBはすでにあるので、今後はアプリケーションやオーサリングの部分での投資がメインになるでしょう。

----:電子事業における昭文社地図の強みはどこですか。

黒田:まず“きれいな地図”であること。書店で売られている『マップル(まっぷる)』シリーズは紙地図の8割以上のシェアを有しています。長年親しまれているブランドであり、色づかいや地図の見せ方などは多くのユーザーからご支持をいただいています。

もうひとつは“観光ガイド”。これまで『まっぷるマガジン』などの旅行ガイドに収録してきた“見る”・“遊ぶ”・“食べる”・“泊まる”といった観光スポットとコンテンツは、すべてデータベースとして整備しています。

そのほか、「抜け道ルート」や「震災マップ」、「景観のいい道」、「大型トラック向けの道路地図」など、グラフィカルな部分だけでなく、地図や場所にまつわるコンテンツもあります。PNDへのナビゲーションエンジンを提供するにあたって、これらは強力な武器になると考えています。

《聞き手:三浦和也》

《北島友和》

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