【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 後編…「メディアミックスPNDを武器にしていく」

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【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 後編…「メディアミックスPNDを武器にしていく」
【MAPPLE navi登場】昭文社 黒田茂夫社長インタビュー 後編…「メディアミックスPNDを武器にしていく」 全 3 枚 拡大写真

5年間で08年比3.5倍増という146億円の売上を目指す昭文社の電子事業。同社の黒田茂夫社長インタビュー後編では、デジタルシフトのコア事業としてPNDを選んだ理由を聞く。

PNDはマップルの強みを生かせる最適なデバイス

----:海外では爆発的な普及を遂げているPNDですが、日本ではどのような存在になっていくと考えていますか。

黒田:高級なクルマにはフルナビがつき、フルナビの普及率が低い軽自動車やコンパクトカーにはPNDが選ばれていくという流れは今後も続くでしょう。消費者のスモールシフトでPNDの需要は今後拡大していくと思われます。また、PNDはカーナビゲーション用途にとどまらないモバイルデバイスとしても魅力があります。歩行者用ナビとして、あるいは観光用のタウン情報ガイド端末としての役割です。

----:ケータイナビはライバルになりそうですね。

黒田:ケータイはあくまでも汎用端末。電話もでき、Webもでき、写真も撮れ、歩行者ナビとして使えるが、ナビに特化されたデバイスではありません。バッテリーや画面サイズなど制約も多い。その点、PNDはナビゲーションに特化できるので、より使いやすい端末が可能になるはずです。

----:昭文社はこれまでカーナビメーカーやインターネットのコンテンツプロバイダ向けに地図を提供してきましたが、先日発表されたユピテルの新型PNDでは、地図だけでなく、ナビゲーションのエンジンを「Mapple Navi」というパッケージで提供していますね。

黒田:地図提供だけをビジネスの柱にすることは難しいのです。アプリケーションまで作り込んで提供していくことで、“地図+コンテンツ”というマップルブランドの強みを発揮できます。先日発表したユピテルさんのPNDでも、ナビアプリはMAPPLE naviを採用していただく形態です。もちろんハードウェアに応じてカスタマイズはします。ユピテルさんのような協業先を今後もつくっていきたいですね。

----:PNDにはパイオニア、ソニー、松下、サンヨーなど、メジャーな家電メーカーが独自のナビアプリで参入してきました。MAPPLE naviの差別化はどこで行いますか。

黒田:当社がハードや流通を仕切ってやっていくということはありません。あくまでもハードウェアメーカーと組んでビジネスをしていきます。よってハードメーカーは競合ではなくむしろ協業したいと考えています。

一方、ライバル地図メーカーに対しては彼らにはないコンテンツを揃えて勝負する必要があります。地図やガイドをつくる上での情報収集能力では、当社は他社に負けないものを持っていると思います。たとえば、当社が持つ歩行者道のネットワークデータを利用すれば、車載時はカーナビとして、取り外して徒歩ナビとして使えるPNDがつくれるかも知れない。また、出版物とナビが連動する、いわば“メディアミックスPND”も、紙地図で8割以上のシェアを持つ当社でしかできないでしょう。PNDでできることはまだまだあると考えています。

◆統一ロゴを定めて“MAPPLE”ブランドを確立

----:先だって、昭文社グループのロゴ「MAPPLE」が発表されました。新ブランドロゴ策定の狙いは。

黒田:「昭文社」という企業名よりも、書店で広く流通している「マップル」のほうが消費者には広く認知されています。これまでマップルの表記はカタカナだったりアルファベットだったり、また、リンゴの写真だったりイラストだったりとバラバラでした。今回、統一ブランドロゴを定めて、人びとの潜在意識に植え付けようという考えです。今後、Webサービスや出版物でも、このマップルのロゴを大々的に使っていきます。

----:PNDの先は、フルナビですか。

黒田:そうですね。先に目を向けると、PNDの次は市販系ナビ、そのあと自動車メーカーのOEMナビという流れになるでしょう。ですが次のことを考えるのはまだ先です。まずはPNDを狙います。そこで成功できればおのずと道は開けていくでしょう。

《聞き手:三浦和也》

《北島友和》

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