日本精工、長寿命バックアップロール軸受を開発

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日本精工は、鉄鋼設備センジマ圧延機向けに、高速密封性を高めたシールと表面疲労に強い同社独自の特殊鋼を採用した「長寿命密封バックアップロール軸受」を商品化した。

鉄鋼設備センジマ圧延機は、主に電磁鋼板やステンレス鋼板など、硬く延びにくい鋼材を圧延するために用いる。省エネが重視される中、機械の電動化やハイブリッドカーの増産が進められているほか、新興地域のインフラ整備による発電所・変電所の増設に伴って電磁鋼板の需要が急速に増加している。その結果、センジマ圧延機には高生産性が要求され、それに応じて高速化も進んでいる。

高速センジマ圧延機に使用されるバックアップロール軸受は、潤滑性に乏しい大量の低粘度圧延油にさらされるため、軸受潤滑用としてオイルミスト潤滑を使用している。従来品では、オイルミスト潤滑の安定供給のためにシール部を通らず小さな穴からオイルミストを排出していた。このため、高速条件下では、シール部の潤滑と耐久性に課題があった。

今回開発した製品は、シール部からオイルとエアーを排出する構造を採用し、シール部の潤滑性と耐久性を向上させた。また、シール部形状の最適化、シール芯金とシールの一体化及び各部品の加工精度の向上により、シール押し付け量のばらつきを最小限に抑え、シール接触面圧を最適化、安定したオイルミスト排出と外部からの圧延油浸入防止の両立を実現した。さらに独自に開発したSAC鋼を採用することで、異物が混入しても軸受耐久性を高めた。これにより長寿命化も実現した。

同社では2011年に、センジマ圧延機向けに売上10億円を目指す。

《レスポンス編集部》

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