バイクでの利用を念頭に置いたBluetooth対応のP50
----:次にP50ですが、こちらはワンセグを搭載しないかわりにBluetoothを搭載しています。対応プロファイルは。
石黒:ハンズフリー通話の「HFP」は、P50から音楽を飛ばせる「A2DP/AVRCP」です。Bluetooth対応のヘッドセットとつないで音楽や音声案内を聞くことができます。とくにバイクのライダーからこれらの機能要望が多かったので今回搭載しました。
----:P7DTはホーム&クルマユース、P50はバイクユースということですね。両モデルを作り分けている理由がよく分かりました。
◆PNDからカーナビゲーションというものを知ってもらいたい
----:クラリオンにおけるPNDの販売戦略について教えてください。
石黒:PNDのマーケットはまだまだ伸びると考えています。数字を見てみても、頭打ち感のあるAVNと比べると伸び率ははるかに高いですが、われわれとしては、PNDはあくまでAVNを買っていただくためのきっかけと思っています。「やっぱりAVNがほしいけれど…」という声はよく聞きます。そこまで行けない人がターゲット。PNDからカーナビゲーションというものを知っていただいて、やがてAVNにステップアップしていただくというイメージです。今年はPNDを2ラインに拡張して間口を広げ、低価格のメモリタイプAVN『スムーナビ』を10万円台前半〜半ばに2ライン投入しました。
日本には成熟したナビゲーションの市場がすでに存在しています。求められるのは高機能なPNDよりも、AVNが主流なのではないでしょうか。ですので、AVNがPNDがとってかわると言うことはないという認識です。とはいってもPNDはスタンドアローンであり続けて良いかというとそうではないと思います。
----:となると、やはり通信連携機能の充実がPNDの進化のポイントになるのでしょうか。
石黒:そうですね。PNDの通信機能は視野に入れていかなければなりませんね。ですが、幅広い購入層をもつPNDに分かりにくい機能を入れても使われません。操作性は重要です。HMIのクラリオンとしては今後注力して考えていきたい部分です。
----:現状ではBluetoothのペアリングひとつとってもハードルは高いです。
石黒:その点、P50はできるだけ簡単にペアリングできるようにインターフェースを工夫しました。Bluetooth対応のケータイはようやく普及してきて、だいぶ欧米並みになったなという印象です。ワイヤレスの時代に向けての下地はできたので、今後は通信などの付加価値をPNDにどう盛り込むかが鍵ですね。
※P50は今秋発売予定モデル
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