三菱重工業は、日本輸送機、JFEコンテイナーと共同で、汎用タイプの燃料電池式フォークリフトを開発、2010年代初頭の市場投入を目指して実証試験を開始する。
燃料電池への水素供給に、JFEコンテイナーが世界で初めて開発した持ち運び可能なカセット式供給ユニットを採用し、水素ステーション(充填施設)などの大規模なインフラ整備が不要で、小規模ユーザーが導入する際にも障害がないのが特長。
9月9日から12日まで東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2008」に実機を出品・展示する。
カセット式水素供給システムを採用した燃料電池式フォークリフトの開発は、環境省の地球温暖化対策技術開発事業の一環として、早稲田大学が推進した「本庄・早稲田地域でのG水素社会の構築」プロジェクトの下、2005年から取り組んできた。
三菱重工は、汎用タイプの燃料電池搭載に適した安全で経済的な車両システム、JFEコンテイナーは、安価なカセット式水素供給ユニットの開発、をそれぞれ担当した。早期の市場投入に向けたコスト削減を図るため、電池ユニットを、日本輸送機のバッテリーフォークリフトに搭載、車体の制御システムや安全性の検証、フォークリフト特有の使用環境への最適化に取り組んだ。
すでに冷蔵倉庫や屋外など使用環境の異なる3か所での実証試験を行って実用化の目途をつけている。
今後、環境省の補助事業「カセット式FCフォークリフトの市場導入に向けた実証試験及び技術開発」の下、製品コストの削減や信頼性・耐用性の更なる向上など、市場導入に向けた仕上げの検証に入る。