日立製作所はこのほど、日立産機システムと共同で、障害物を避け自律走行しながら物品を運搬する次世代物流支援ロボットを開発した。
現在、物流倉庫や生産現場の物品の搬送作業では、多くの無人搬送車が使われているが、レイアウトの変更に応じて搬送経路を誘導するためのガイドラインが必要である。また、搬送路に荷物が置かれた場合には、安全のため停止し、荷物が除かれるまで運搬を中断する必要があった。
ところが、日立が開発したロボットは、「自律走行機能」や「障害物回避機能」、「四輪独立操舵機能」により、現場のガイドラインが不要になると共に、歩行者が搬送経路を横切るような場合でも、停止することなくスムーズに回避する。
このため、従来の無人搬送車に比べ、作業時間のロスを抑え、効率の良い搬送作業が可能になる。また運搬量が多い場合は、複数のロボットを1台の機器のように連動させて物品を搬送する「連携走行機能」により、運搬量の変動にも柔軟に対応できる。さらに、カメラやセンサー機能を追加すれば、棚卸作業の自動化など新たな応用も可能になる。
なお、同ロボットは9日から東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2008」に参考出品される予定だ。