神戸製鋼、ハイテン材のロールフォーム技術でVAKと提携

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神戸製鋼所とオーストリアのフェストアルピーネ・グループのロールフォーム部門の中核会社であるフェストアルピーネ・クレムス社(VAK)は、自動車部品用途の超ハイテンのロールフォーム技術に関する包括技術契約を締結した。

神戸製鋼とVAKは共同で、日系自動車メーカーに対し、超ハイテンのロールフォーム技術の優位性を示す構造提案を行い、2011年以降のモデルに向けて採用を働きかけるのに加え、日本のロールフォーム加工を行うプレスメーカーに対する技術支援を行う。

ハイテン素材の製造を得意とする神戸製鋼は、日本・アジア地域での生産車種に対する超ハイテン素材の供給拡大を、加工技術に優れるVAKは日系自動車メーカーの欧州・北米・南米地域での生産車種に対する超ハイテン・ロールフォーム部品の供給拡大を図る方針だ。

自動車の車体重量軽量化のニーズは高まっており、車体構造部材への超ハイテン適用が急速に進んでいる。現在使用されている車体構造部材で最高強度である引張強度980MPa級超ハイテン材の使用拡大とともに、更なる構造部材の強度向上が期待されている。

神戸製鋼は、自動車向け超ハイテン材で、加工性を向上した引張強度1470MPa級までの超ハイテン材の開発を完了している。

一方、自動車の車体軽量化は、優れた特性を持つ材料と、最適な部品形状・構造、およびその形状・構造を実現できる加工方法・製造技術を組み合わせる必要がある。しかし、従来幅広く採用されてきた「冷間プレス工法」では、超ハイテン材を使用すると通常のプレス機では、大型部品の加工が困難だ。また、採用が進みつつある「ホットスタンプ工法」でも加工後の脆性や耐食性に課題がある。

これに対しロールフォーム工法では、他工法ではできない複雑な部品形状・構造が可能で、比較的簡単な設備で製造することが可能だ。さらに、非熱処理のため超ハイテン材料の優れた耐脆性、耐食性といった特性をそのまま生かすことができる。

神戸製鋼とVAKは、超ハイテン材料とロールフォーム工法を組み合わせることに着目し、これまでに共同で引張強度980MPaを超える超高強度ハイテン材のロールフォーム技術の開発に取り組んできた。両社の技術提携で、超ハイテン材料技術、部品製造技術、両社の部品構造設計技術を組み合わせ、自動車の車体軽量化に貢献していくとしている。

《レスポンス編集部》

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