あらためて見ても、すごいフロントマスク。派手になればなるほどプジョーファンも喜ぶという図式なので、これはこれでいいと思う。
デザイン的に優れているかどうかはさておき、インパクト満点で、個人的には嫌いじゃない。そして、『308』というクルマが、ベーシックなCセグ車にとどまらず、プレミアムとかラグジュアリーという境地を目指したというのは、この「SW」からもヒシヒシと伝わってくる。
ワゴンボディに3列シート、大きなガラスルーフというSWシリーズのウリのポイントをもちろん踏襲。広いガラスルーフと低く下げたウエストラインによって、大きな開放感を味わえるところは、やはりこのクルマの大きな魅力である。
逆に、デフォルトの状態では、それほど室内空間が広いわけではないし、ワゴンやミニバンとして考えると少々物足りない。やはりこのクルマの本質は、2人乗り+αを主体とした乗用車だと思う。そして、必要とあれば3列目まで使えるし、逆に2、3列目を外して広いラゲッジスペースとして使うこともできる、ということだと思う。このサイズながら、いざとなればいろんなことができるというのも、このクルマならではの魅力だ。
とにかく、派手好きな筆者にとっては、このスタイリングからしてけっこう食指の動く1台ではある。しかし、タウンスピード領域でのドライバビリティの悪さがどうにも気になる。速度が乗ってしまえば、たとえ4速ATでもそれほどストレスはないのだが、踏み始めの反応の悪いアクセルペダルと、コントロール性は高いのに踏み始めが曖昧なブレーキや、やたらとセンターにもどろうとするステアリングなど、全体的にリラックスして乗れないところが惜しい…。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
ビデオマガジン『ベストモータリング』の制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスに転身。新車から中古車、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を誇る。「プロのクルマ好き!」を自負し、常にユーザー目線に立った執筆を心がけている。