マツダは10月2日、パリモーターショーで『MX-5』(日本名『ロードスター』)のマイナーチェンジモデルを発表した。内外装の変更だけでなく、走行性能もアップ。「人馬一体」のコンセプトにいっそうの磨きをかけての登場だ。
外観は大幅に変わったフロントマスクに注目したい。グリルは開口部を大きく取るとともに、マツダ車に共通する5角形に形状を変更。さらにヘッドランプは切れ長の新デザインとなり、従来よりもシャープなイメージに変身した。
ボディサイドではアルミホイールやサイドシルのデザインを変更。リアは新デザインのバンパーを採用した。ボディサイズは全長4020×全幅1720×全高1245(ハードトップは1255)mm。従来よりも全長だけ25mm大きくなっている。
ソフトトップとハードトップで外観の意匠を細かく差別化しているのもポイント。グリルはソフトトップがフィン状。これに対して、ハードトップはクロームで縁取ったメッシュだ。リアのハイマウントストップランプは、ソフトトップが赤、ハードトップはクリア。ヘッドランプ内部の処理もソフトトップとハードトップで変えている。ハードトップを上級移行させようというマツダの狙いが見てとれる。
そんなマツダの戦略が如実に現れているのが、ハードトップの静粛性向上だ。制振材や遮音材の追加によって、ルーフを閉じた状態の車内騒音は、従来よりも2.1デシベル低減させているという。
インテリアはインパネ表面の仕上げをピアノブラックからダークシルバーに変更。空調ダイヤルにシルバーリングを装着するなど、質感を向上させた。メーターも視認性がアップ。ドアやセンターのアームレストがソフトパッド仕上げとなったのも変更点だ。
メカニズム面では2リットル直4エンジンがピストンのフルフロート化や鍛造クランクシャフトの採用を実施。6速MT仕様の最大出力発生回転数は300rpm引き上げられ7000rpmに。また、欧州初登場の6速AT仕様も含めた2リットル全車が、レブリミットを500rpmアップさせ、7500rpmという高回転まで許容するようになった。6MTは1 - 4速ギアのトリプルコーンシンクロの一部にカーボンコートを実施。さらに、全車がフロントのロールセンター高を26mm下げる改良を受けた。ドアにはクロスメンバーを追加するなど、ボディの補強も行われている。
日本が世界に誇るオープンスポーツ、マツダロードスター。歴代モデルが熟成を深めてきたように、現行型もまた一歩、着実な進化を遂げている。