シトロエンは10月2日、パリモーターショーに『C4WRCハイモーション4』を参考出品した。WRC(世界ラリー選手権)に参戦中のC4をベースに、環境に優しいハイブリッドシステムを搭載したラリーカーだ。
PSAプジョーシトロエンは今回のパリモーターショーで新しいハイブリッドシステム、「ハイモーション4 AWD」を発表。プジョーは『RCハイモーション4』と『プロローグ』、シトロエンは『ヒプノス』の各コンセプトカーに採用した。C4WRCハイモーション4も同様のシステムを搭載する。
エンジンは最大出力320psの2リットル直4ターボ。これに最大出力167psの電気モーターを組み合わせる。システム全体では最大出力487ps。エンジンは前輪、モーターは後輪を駆動する4WDだ。モーターの駆動には、リチウムイオンバッテリーを使う。
このハイブリッドは4つの走行モードを備える。エンジンのみ、エンジンと回生ブレーキ、モーターのみ、エンジンとモーターが最大限の力を発揮するブーストモードの4種類だ。ブーストモードは最大トルクが30.6kgmもアップする本戦モード。また、モーターのみのモードでは最大航続距離40kmを走行可能。パドックやラリーステージ間の移動時の使用を想定している。
シトロエンは2007年シーズンからWRCにワークス体制で復帰。セバスチャンローブ選手は、シトロエンで4年連続WRCドライバーズチャンピオンを獲得している。
今回のC4WRCハイモーション4の開発にも、セバスチャンローブ選手が参画。シトロエンは「現行C4のWRCマシンと比較して、最大30%燃費を改善」と説明している。将来的にはWRCなどのモータースポーツにも、環境対応が求められるのは必至。C4WRCハイモーション4は、その意味で意義のある参考出品車といえる。