神戸製鋼所は、同社が開発した降伏点47kg級(引張強度60kg)厚鋼板が、アイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッドが建造する超大型コンテナ船へ採用されたと発表した。
今回採用された降伏点47kg級高強度TMCP鋼板は、特性や使用部位に応じて2タイプがある。
ハッチサイドコーミング部へのNiレス降伏点47kg級高強度TMCP鋼板について板厚60mmまでの製造法承認を2007年5月に、最大板厚80mmの疲労特性に優れた鋼板の製造法承認を2008年7月に日本海事協会から取得した。
ハッチサイドコーミングに適用する鋼板の特長は、ニッケルなどの価格変動の激しい高価な特殊元素を添加していない点、高強度・高靱性と高い溶接性を有しており、従来の溶接材料を使用可能な点、脆性破壊停止特性が高強度ながら高いレベルを達成している点、の3点。
最大板厚80mmの鋼板の特長は、若干のニッケルを添加することで母材特性である強度、靭性を確保し、溶接性及び脆性破壊停止特性についても上記鋼板と同等の性能を有する、加えて、疲労特性が従来鋼に比べて約1.3倍以上。
鋼板の適用について、アイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッドとIHIと共同で技術検討をおこなう中で、高効率な溶接施工が可能で、加えて船体重量軽減効果、高い安全性が認められ、今回の採用が決定したとしている。