住友金属、新開発の連続鋳造法で品質・生産性向上へ

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住友金属工業の総合技術研究所は、製鋼の主要工程である連続鋳造で製品の品質及び生産性向上に寄与する技術となる浸漬ノズルの詰まりを抑制する技術、鋳型内の凝固を制御する技術、湯面レベル変動を防止する技術を開発した。

これらの技術は独自に開発した技術と大学との連携による共同研究の成果を活用して技術開発したもの。これらの技術により、連続鋳造機の性能が飛躍的に向上し、高強度鋼に代表される高級鋼の品質向上と生産量拡大が可能となるとしている。

連続鋳造法は、取鍋内の溶鋼をタンディッシュと呼ばれる中間容器を経て鋳型に供給し、凝固させるプロセスで、高品質な鋼材を効率良く生産するために不可欠な工程だ。この連続鋳造工程で生産性を向上するためには、連続的に鋳造する連々数を増加し、鋳造時間率を増加する方法と、鋳造の速度を増加し、単位時間あたりの鋳造量を増加する方法がある。

しかし、連々数を増加する場合、浸漬ノズル内面にアルミナなどが堆積するノズル詰まり(ノズル閉塞)が原因となって鋳型内で片流れにつながる。鋳造速度を増加する場合には、鋳片に縦割れと呼ばれる疵が発生したり「非定常バルジング性変動」と呼ばれる鋳型内の湯面変動が大きくなる。鋳型内の流動状況や凝固が不安定となることにより鋳片の品質や操業に悪影響を与えるという問題があった。

鋳型における溶鋼流動と凝固の制御は、高能率と高品質を兼ね備えた連続鋳造を実現するために重要な因子となる。同社ではこれらの連続鋳造における問題を解決するため、電気化学的作用を活用したノズル閉塞防止法(AIノズル)、不均一凝固を防止する高速鋳造用モールドフラックス(Cry-Max)、湯面変動の周波数分布に着目した鋳型内湯面レベル制御方法(Q-H∞制御)を開発した。

《レスポンス編集部》

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