【ストラーダFクラス HW1000D 長期レポート】地デジ再生への執念を感じた

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【ストラーダFクラス HW1000D 長期レポート】地デジ再生への執念を感じた
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ナビゲーションの市場はストラーダ・ポケットのような低価格なパーソナル・ナビゲーション・デバイス(以下PND)の登場で活気づいているが、PNDとストラーダFクラスのようなビルトインタイプのカーナビとの差は、乱暴にいえばAV機能の差だともいえる。

商品に接するとはっきりわかるが、ストラーダFクラスのこだわりはフルセグ地デジにある。画質の追求は多岐にわたるが今モデルでとくに力を入れたのは、映像コントラストの最適化である。映像LSIは液晶AIという機能で地デジ映像のシーンをリアルタイムに判別し液晶の特性に合わせて映像出力する。一方、車内の変化に富んだ外光を測定しダイナミックコントラスト制御も同時に行う。フルセグ+ワイドVGAモニタの解像度があれば、美しく見やすい映像=最適化されたコントラストの映像という結論が導かれたのであろう。大いに納得の画質である。

カーナビ地デジの盟主を自負するストラーダのこだわりは、画質だけではない。感度の追求もそのひとつだ。家庭用とは違い常に電波状況が変化する自動車移動は、フルセグ地デジ受信を維持することが元来非常に難しい。よって各社は電波強度によってフルセグからワンセグ受信に切り替えて、途切れない画像受信を心がけている。もちろんFクラスにもワンセグ自動切り替え機能があるが、ワンセグ映像を7インチワイドで見ることをパナソニックはあくまで非常用と考えている。

フルセグ受信エリアを拡大するために、Fクラスでは地デジチューナーを4つ、アンテナも4つ用いている。この4つのチューナーが受信した放送電波をプロセッサーが合成することで、電波状況が悪い場所でもクリアなフルセグ地デジ放送を受信できるのだ。この執念の高感度チューナーが実力を発揮するのは、ロングドライブで山間部の高速道路を巡航する場面だ。

突然だが、うちの子供たちは長時間ドライブが苦手だ。騒ぐか喧嘩をするかで母親にしかられておとなしくなる。すると今度は、暇だとかお腹が痛いなど訴えだす。なだめてしりとりでもする。これがこれまでのパターンだったがいまは違う。8型ワイドVGAリアモニターTR-M80WVS7を後席用に拡張してある。 TR-M80WVS7とFクラスの接続はD2のコンポーネント映像接続で通常のビデオ端子とははっきり違いがわかるほどの高画質接続ができる。正直にいうと私は運転中のしりとりは嫌いだ。

そんな我々家族の、東北道、中央道、東名の各道路のドライブ。出発前に私は、大人げもなくストラーダの高画質を子供たちに自慢してみた。「これがフルセグ、そしてこれがワンセグ。どちらがきれいだと思う?」「フルセグ!」という具合に。そしてドライブ中、とくに山間部の怪しい地域で何度か子供たちに聞いてみたのだ。「いまはフルセグ? それともワンセグ?」

子供たちの報告によると、ストラーダのフルセグ受信地域はかなり広い。もっともこの受信感度はワンセグで拾える地域の拡大にも貢献している。つまりアナログTV時代とは比較にならないほどの広範囲なエリアでノイズレスTV受信が可能になったわけである。

ストラーダの受信感度はすばらしいことがわかったが、さて、ウチの子供である。ある時間帯をのぞいて小学生が楽しめるテレビ番組は意外と少ない。見たい番組が無いというのだ。こんなわがままにもストラーダのAV機能は応えてくれる。今回のモデルから、ディーガなどのDVDレコーダーで録画したCPRM保護 VRフォーマットDVDビデオの再生が可能なのだ。

ストラーダから自宅のディーガに対して録画指示や録画予約を行うことができるディモーラ機能を以前紹介したが、つぎのドライブではそのディスクを車に持ち込んで再生することが可能である。当然のことのようだが、録画DVD再生機能をもったストラーダがようやく登場したことが、私は感慨深く、かつとてもうれしい。

わが家のディーガは、地デジを直接DVDに焼くことができる。たとえばNHKの『えいごリアン』。子供がよろこび、妻も納得の番組を日頃から撮りだめておくのがお勧めである。保存用ではないのでDVDは裸で乱暴に扱うことができる。子供が暇をもてあました時に、前席からすかさず再生するのだ。その他、わが家ではロングドライブ用にWOWOWで放送された映画もDVDにして車内に転がっている。

最後に、これら地デジ再生は非常に魅力的だが、ハンドルを握る私やあなたは諦めるしかない。冷静に考えれば、大切な家族を危険にさらし、罪の無い周囲の自動車、歩行者を犠牲にするリスクを冒すほどの価値があるテレビ番組は存在しないと思う。

ストラーダには映像コンテンツだけでなく、MusicStylistやBluetoothMusic、FM&AMラジオなど、ドライバーのための音声系コンテンツ再生機能も豊富に揃っている。

『iPod』接続が付属ケーブルを購入すること無く可能になったのは朗報だが、音楽を聴くならば私はMusicStylistを推したい。そこでiPod接続で私がお勧めするのはPodcastである。先ほどのDVD録画のように、気になるPodcast番組をチェックしておけば、何時に運転しようとも車内でお気に入り番組を高音質で再生できる。右脳を使う自動車の運転と左脳を働かせるトーク番組とはとても相性がいい、と私は感じている。

《三浦和也》

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