ガラスルーフを持つ5+2シーターワゴンというコンセプトは前作『307SW』と共通。ホイールベースをハッチバックより100mm伸ばしたプラットフォームも、基本は旧型と同じだ。それゆえに、作り慣れているなあという印象。2代目にして早くも定番商品の雰囲気が伝わってくる。
なかでもガラスルーフは、前側を限界まで伸ばしているからドライバーでも空が楽しめるし、遮熱性能がすぐれているので晴れた日でも暑くない。この装備の第一人者らしいノウハウが生きているのだ。
走りは同じ『308』のハッチバックがそうだったように腰高感が消え、安定感がアップするなど正常進化。乗り心地はサイズアップによる重さがプラスに働いて、しなやかというよりしっとりした印象だ。
2.0リットル自然吸気よりフレキシブルな特性の1.6リットルターボエンジンのおかげで、4速ATのジレンマを感じることは少なくなった。でもホンネをいえば、本国にはある2.0リットルディーゼルターボ+6速ATが欲しいところ。プジョーはディーゼル経験が長いだけに、こちらの導入にも期待したい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト
1962年東京都生まれ。自動車雑誌編集部を経て独立。生活に根づいたクルマの魅力をわかりやすい言葉で表現するのが身上。試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。