【シトロエン C5 試乗】意義あるアンチテーゼ…神尾寿

試乗記 国産車
【シトロエン C5 試乗】意義あるアンチテーゼ…神尾寿
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ドイツ車の価値観・乗り味が尊ばれる日本の輸入車市場において、マーケティング的な正解は、他国のクルマでも"ドイツ車のテイスト"をベースに派生的な個性を持ち出すことだ。

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意外とコンサバなDセグメント市場のユーザーに向けては特にそう。にもかかわらず、シトロエン『C5』は根本から「シトロエンらしさ」を打ち出し、その上で従来の固定ファンのみならず、多くのユーザー層を魅了しようとしている。

シトロエンらしさの根本を支えているのが、独自の油圧サスペンション「ハイドラクティブIIIプラス」によるゆったりとした乗り味。フラットで包み込まれるようにマイルドな乗車感覚は、ドイツ車慣れした日本の輸入車ユーザー層にとって異次元の感覚だろう。これは一度ハマったら、病みつきになる乗り味だ。

もうひとつ私がユニークだと思ったのが、航空機のコックピットをイメージしたというUI(ユーザーインターフェイス)。アナログとデジタル表示を調和させた見やすい計器類や、ステアリングと一緒に回転しない操作パネル一体型センターパッドなどは提案力がある。“使いやすさ”という点では、入力系を中心に発展途上の箇所があるが、エクステリアやインテリアだけでなく、インターフェイスデザインにもこだわって模索している点は評価したい。

マーケティング的に不利であろうと、自らの個性を進化させて、多様性を世に問う。シトロエンC5の取り組みは、意義あるアンチテーゼと言えそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

神尾寿│通信・ITSジャーナリスト
学生時代にIT専門誌で契約ライターをし、その後、大手携帯電話会社の新ビジネス企画担当などを経て、1999年にジャーナリストとして独立。ウェブ媒体やビジネス誌、新聞各紙を中心に執筆する。通信およびインターネット、ITS、次世代交通システムなどの分野で、技術および市場動向の取材、ユーザーニーズの分析を行っている。21世紀の交通社会に向けたクルマの進化、安全および環境分野での先進技術/サービスの開発・普及と、利用促進に向けた取り組みを重視している。2008年からCOTY選考委員。

《神尾寿》

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