【アウディ A4 試乗】ちょっぴりメタボな優等生…木村好宏

試乗記 国産車
【アウディ A4 試乗】ちょっぴりメタボな優等生…木村好宏
【アウディ A4 試乗】ちょっぴりメタボな優等生…木村好宏 全 5 枚 拡大写真

アウディ『A4』のスリーサイズは全長4703mm・全幅1826mm・全高1427mm(欧州スペック)でプレミアム・アッパーミドル・クラスのライバル、BMW『3シリーズ』そしてメルセデスベンツ『Cクラス』の中ではもっとも大きい。

正確に言えば3シリーズよりおよそ17cm長く、1cm幅広い、またCクラスとは12cm長く、5cmも幅広い。

実はこれがA4の長所でもあり短所である。つまり欧州では、回転式駐車場などが普及しておらず、まあこのクラスではゆったりとした前後の居住性やトランク容量で優等生との判断がなされ、各メディアで今年のベストカーに選出されている。一方日本では立派な平置き式駐車場を持っている裕福な方々は別だが、小型車サイズの回転式駐車場ではちょっと持て余すメタボ・サイズである。

しかし重量も1510kg(1.8リットルTFSI/160馬力)は他の2台と比べてもちょっと重く、CVT(マルチトロニック)ではちょっと役不足かなと思う時もある。できれば欧州にある2.0リットル180馬力が欲しい。さらに7速ツインクラッチ・トランスミッションがあればスポーティな走りに花を添えるだけでなくアウディを高く評価するハイテック・フリークには大いに魅力が増すだろう。

一方アウディ流の品質の高さはボディの作り、仕上げ、そしてインテリアなど至る所に見られ、オーナーは間違いのない買い物をしたことを確信するだろう。ただしコクピットにおけるスイッチの氾濫はそろそろ時代を感じさせる。新開発のドライブセレクトは普通のセダンをセポーツセダンに変える。

また200万円以上財布に余裕のある方々は3.2リットルのクワトロを選択し、ウィンタータイアを用意しておけば、全天候オールラウンド・クルーザーとなって冬の遠出も苦にならないはずである。最後に、苦情を一言;そろそろデザインの差別化をしないとアウディ全モデルが同じに見えてしまう。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★(大きなガレージが条件)…ボディを大きくすればだれでもできる
インテリア居住性:★★★★
パワーソース:★★★…環境をもっと考えてほしい
フットワーク:★★★★…ドライブセレクトが貢献
お勧め度:★★★★…ただし、都内の小さなガレージしかもってない人には★★
総合評価:★★★★(ちょっと甘いかも!)

木村好宏│モータリングライター
トーマス・マンとドイツの自動車に憧れ1968年に渡独、日本には絶対にない論理的なドイツの社会構造と文化に接し開眼、この地に留まる。まずは国営航空会社に勤務、並行して自動誌『アウト・モーター・ウント・シュポルト』に寄稿、後に日本の媒体へも進出。モータリングライターとして独立し、ドイツおよび日本に事務所を構え日独の自動車技術、文化などを両国へ配信する。

《木村好宏》

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