国内での販売が好調な日産自動車の新型『キューブ』だが、2009年春から秋にかけていよいよ欧米へ輸出することになる。
同社NissanPV第一製品開発本部第二プロジェクト統括グループ主担の守屋剛氏は、アメリカ・ヨーロッパ市場への同車投入について「欧米ではこのクルマはぶつかるような相手がいないだろう。競合クラスに入り込むというよりは、日本の伝統とか価値観というものを欧米に持っていくという感じになる」と語った。
先代までの国内専用モデルと違った海外向けのアレンジは「特に施していない」という守屋氏。「もちろん、アメリカもヨーロッパも客層がさまざまに違うので、室内は全世界共通の快適性を考えている。先代はリラックスしきれないところがあったのも事実。後席の乗り心地と、前席の足元空間が狭いという点もそのひとつ。そうした点をかなり改善させた」
「アメリカやヨーロッパを実際にキューブで走ってみて、『日本のキューブらしさをそのまま欧米でぶつけよう』と。リアシートは広くふかふかになったけど、北米の人たちは後席にあまり乗らないし、欧州の人はシートアレンジを優先する傾向がある。それでもあえて『とにかくゆったり、リラックスできるよ』とPRしていこうと」
お国柄にあわせるよりも日本の“ゆったり・リラックス感”で売りに出る、日産の世界戦略車の行く末はいかに。