「車を1台買うと、2台めは無料」。世界的に自動車販売が低迷する中、ついにこんな自動車販売店が欧州に現れた。キャンペーンを展開しているのは、ベルギーの販売店、カルドアン社だ。
同社は複数のブランドを扱うチェーン系ディーラーで、「あらかじめ選ばれた未走行距離車20ブランド・計100台のうち1台を買うと、別に選ばれた未走行距離車100台のうち1台が無料」というものである。
価格は2万2800ユーロ(約269万円)から。1台めの多くは6人乗りミニバンで、4駆も含まれている。2台めは原則として小型車だ。
一例として、三菱『デリカ・スペースギア』の兄弟車であるヒュンダイ製ミニバン『H200』(2万2800ユーロ)と、キァ(起亜)製小型車『リオ』(1万1699ユーロ)を選んでも代金は2万2800ユーロ。まるまるリオの分が「タダ」になる。
2台めは無料であるため、付加価値税も課税されない。家族や同僚に譲渡したり、自分の会社名義にすることもでき、車種選択も3か月の猶予が与えられている。
支払いは2009年からで、現金・ローンいずれも可能。また、あらかじめ選択された車以外の車を購入したい場合も相談に応じる。キャンペーンは期間は12月15日までだが、売り切れ次第終了となる。
カルドアンは1949年創業。1980年代末にスペインやイタリアからの新車並行輸入で頭角を現し、現在ベルギー国内に8店舗を展開している。クリスマスと元日を除く年中無休が売り物。
2005年には「価格破壊車」として話題を呼んだルーマニア製小型車ダチア『ローガン』の西ヨーロッパ販売開始第1号を果たし、翌2006年にはベルギーとオランダで中国車を販売する計画を明らかにした。
同社は今回のキャンペーンについて、「自動車業界不況で各メーカーのデポーは溢れんばかりの状態。その在庫一掃をカルドアンが図るもの。ごまかしは一切ありません」と説明している。
なお、前述の一例のヒュンダイH200(国によって『スタレックス』)は、07年をもって生産終了しているモデルである。
いよいよ自動車販売も「まとめ売り」の時代に突入したというわけで、スーパーにおいてテープで束ねられたソーセージを連想したのは筆者だけか?