日産の新型『キューブ』は「走る自分スタイル空間」をコンセプトに開発された。丸みを帯びたスタイリングやインテリアには、争いとは無縁なピースフルな雰囲気に溢れているが、走りにもその方向性が上手く活かされている。
キューブの開発責任者を務めたセグメントチーフプロダクトスペシャリストの岩佐洋介さんは「新型キューブは気楽に走らせることができる乗り心地やハンドリングを目指して開発を進めました」
「今回のキューブは海外の販売も視野に入れ、ボディ剛性を高め、高性能のショックアブソーバーを採用していますので、ハンドルを切るとスッと曲がってくれる安心感のある操縦性を実現しています。その上で、乗り心地に関しては日本で最適な設定としていますので、振動が小さい上質な乗り心地を体感していただけると思います」とコメント。
実際に新型キューブのフットワークは乗り心地とハンドリングが上手くバランスされており、比較的マイルドなサスペンションでありながらも、スムーズなハンドリングに仕上がっている。クルマの重心が高いので多少のロール感はあるものの、街中から高速域まで気持ちよく走らせることができ、ハイトワゴンの中ではレベルの高い走りを手に入れている。
乗り心地は、16インチタイヤを標準装備した最上級グレードの「15G」では多少ハードになるが、15インチタイヤを装備したモデルなら快適性が高く、最小回転半径も4.6mと小さいので取り回しも非常に楽だ。
新型キューブはピースフルな雰囲気を感じさせる心地よい乗り味にまとめあげられているが、フットワークやハンドリングは先代から大幅に進化させており、グローバルカーとしても十分に通用する実力を備えている。このフットワークのよさも、新型キューブの強力なセールスポイントとなるはずだ。