ホンダ歩行アシスト 体重支持型…体が5%軽くなる?

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ホンダ歩行アシスト 体重支持型…体が5%軽くなる?
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ホンダは2008年11月7日、「体重支持型歩行アシスト」の試作機を公開した。

人間の骨格標本をイメージさせるようなエルゴノミクスデザインを持つこの装置のスペックは大半が非公開となっている。仕様で明らかにされているのは、膝の部分に片足1個ずつ、計2個のモーターが仕込まれ、リチウムイオンバッテリーで連続約2時間駆動可能、全備重量6.5kg---という程度である。

支持能力は最大3kg。体重60kgのユーザーが使用した場合、最大で5%程度の体重減効果という計算になる。イメージとしては、その程度の支持力でモノの役に立つのかとも思える。

そこで実際に体重70kg台後半という重量級の筆者が登場してみると……。

たった3kgの支持力であるにもかかわらず、ずいぶんと体が軽く感じられる。歩くときはもちろん、単に立っている状態でも体重は支持される。腰を中腰に落とすと、その行動を妨害することなしに体重支持を続ける。

体重支持はモータートルクで行われるとのことだが、とくに中腰状態でのアシストはきわめて自然で、アシストなしではぐらついてしまうような姿勢でも簡単に静止可能。また、そこから直立姿勢への復帰も楽チンだ。左右の足のアシスト力をリアルタイムに最適化させることで常時バランスを取っているのだという。非常に高度な制御が行われていることが連想されるが、実際にはRTOSも使わず、C++で書いた組み込みソフトだけで動いているのだという。

歩行もアシストしてくれるが、こちらは少々コツを要する。いささか注意を要するのは腰の位置が弾むように変化する階段の昇降。足を階段に乗せてからスムーズに腰を浮かせていくことが、自然な歩行を得るためのポイント。スロープの歩行は上り、下りとも問題なし。

「ここまで仕上げるには苦労しましたが、構成部品や構造はシンプルで、量産化できれば大幅なコストダウンが可能。将来、さまざまな業種の工場で、きつい姿勢での作業を行うような現場の作業員の方々をサポートする設備として使ってもらえるようになるよう頑張りたい。また、上半身のアシスト装置の要望もあり、そちらのほうも積極的に研究していきたいですね」(開発を担当した本田技術研究所・芦原淳氏)

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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