「モンテゼーモロ会長の息子兄弟」と称して現金を騙し取っていたイタリア人兄弟2人が、スペインで逮捕されていたことがこのほど判明した。
逮捕されたのは、イタリア・ナポリ出身のルカ（22歳）とダニーロ（28歳）の2兄弟。兄弟はバルセロナで、フィアットおよぶフェラーリ会長であるルカ・ディ・モンテゼーモロの息子などと偽り、約15人から金を借りて返さない、いわゆる寸借詐欺を働いていた。
調べによると2人は2004年からアメリカ、オーストラリア、イギリス、ノルウェーで同様の手口の詐欺を繰り返し、各地で被害届が出されていた。
バルセロナでも賃貸アパートを拠点として同様の犯行を続けていたが、ある女性被害者がインターネット上で警告サイトを立ち上げたことから、現地警察が捜査に乗り出していた。そして兄弟が「カモ」の人物をCD機に誘導しているところを撮影した映像が証拠となり、御用となった。
被害者によれば、彼らの振る舞いは極めて上品かつ洗練されていたという。兄弟は他にも、イタリアの有名ファッションデザイナーの息子と名乗ることもあった。
2人から押収した物品には、被害者を信じ込ませるのに使用したと思われる偽フェラーリ・オフィシャルグッズも含まれていた。なかにはロシアのマトリョーシカ人形といった、本物のフェラーリ・グッズには到底存在しないものもあった。
今回の事件に関してモンテゼーモロ会長本人は、「彼らは、その演技の才能を舞台の世界ででも活かせばよかったのに」とコメントした。ちなみに、実際のモンタデーモロの子供は前妻との間に長男が、現在の妻との間に2人の娘がいる。
